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2026/06/13

Vol.118 借地権・底地の実家、本当に整理できる?春日井の不動産屋が成約事例で正直に解説します

「借地の実家なんて、売れないですよね…?」

借地権や底地のご相談をいただくとき、ほとんどの方が最初にこう言われます。土地が自分のものではない、地主さんとの関係がこじれそう、何十年も前からの話で誰に聞けばいいか分からない——そう感じて、動けないまま地代だけ払い続けている方は少なくありません。

先に、正直なことをお伝えします。借地権の整理は「話せば必ずまとまる」ものではありません。私の実務感覚でも、整理できるのは半分くらいです。ただ、整理できたときのメリットは非常に大きく、現実に解決できた事例も数多くあります。このページでは、当社が実際に手がけた借地権整理の成約事例を4つ、解決の型ごとにご紹介します。「自分のケースはどれに近いか」を探す手がかりにしてください。

そもそも借地権・底地とは

一般的な戸建ては、土地も建物も同じ人が所有しています。これに対して「土地は地主のもの、建物だけが自分のもの」という状態が借地権です。逆に、地主側から見て「貸している土地」を底地と呼びます。昔からの地域では今も一定数残っていて、春日井市でも珍しくありません。

借地権は法律でしっかり保護された権利で、相続も売買もできます。ただ実務では、権利関係だけでなく、長年の人間関係・感情・地域性が絡むため、普通の不動産売買とはまったく別物の進め方が必要になります。だからこそ、解決の「型」を知っておくことが役に立ちます。

解決パターン①:地主と借地人が「共同で第三者へ売る」

借地人(建物の所有者)と地主が協力して、土地と建物をまとめて第三者へ売り、代金を借地権割合で分ける方法です。一般には珍しい形ですが、地主が協力的な場合には有力な選択肢になります。

春日井市高蔵寺町の事例では、相続した借地上の築50年超の住宅について、地主である叔母様が「いずれ整理しなければと思っていた」「共同売却でよい」と前向きに応じてくださいました。ただ建物には従兄弟が居住しており、立退き交渉が最大の壁に。一度は交渉が止まりましたが、約2年半後に従兄弟の転職を機に立退料の支払いで合意。最初の相談から3年ほどかけて、無事に整理が完了しました。▶ 成約事例5:地主と借地人の共同売却(春日井市高蔵寺町)を読む

解決パターン②:地主に「借地権を買い取ってもらう」

建物所有者(借地人)が、自分の借地権を地主に買い取ってもらう方法です。「高く売る」より「負担なく手放したい」という方に向いています。

名古屋市中村区の事例では、相続した空き家の借地権について、解体費や家財処分費を負担できないという相談者の事情がありました。地主側はすでに代替わりしており、弁護士を通じての交渉に。最終的に地主側が「解体費はこちらで負担する」と譲歩し、当初想定していた解体費相当の約2倍の条件で借地権を買い取る形でまとまりました。借地人は維持負担から解放され、地主は土地を完全に取り戻す——双方にメリットのある整理でした。▶ 成約事例34:地主による借地権買取(名古屋市中村区)を読む

解決パターン③:地主側から動いて「建物を買い取る」

地主の立場で「貸している土地を整理したい」というケースもあります。借地人が高齢になったり建物が老朽化したタイミングで、地主が建物を買い取って借地関係を解消する方法です。

春日井市上条町の事例は、築80年以上・80年以上続いた借地関係でした。借地人が建物を賃貸に出していたものの、老朽化と修繕負担で「持ち続けること自体が負担」になっていたタイミング。地主様からのご相談を受けて価格調整から入り、双方の長年の信頼関係もあって、争うことなくスムーズに整理できました。地主にとっては土地の資産価値が大きく向上し、借地人は長年の重荷から解放される結果になりました。▶ 成約事例47:地主による建物買取(春日井市上条町)を読む

解決パターン④:「前例」に沿って淡々と整理する

同じ地主が複数の借地人と契約している場合、過去に整理した「前例」があると、交渉がぐっと楽になります。

名古屋市西区笠取町の事例では、昭和21年から続く借地で、約100坪に4件の借地契約がありました。調査の結果、すでに2件は地主が建物を買い取り済みと判明。地主側に管理会社が入っていたため、その前例と同じ条件で淡々と建物売買契約を締結できました。さらにこの整理の話を聞いた最後の1件の借地人も「自分も整理したい」と相談に来られ、同条件で合意。結果として昭和21年から続いた借地契約がすべて解消され、地主は完全な土地所有権を取り戻しました。▶ 成約事例57:前例に沿った借地整理(名古屋市西区笠取町)を読む

調整区域・建て替え不可の土地はどうか

借地と並んで「売れないのでは」とご不安の多いのが、市街化調整区域の不動産です。こちらも「売れない」と決めつける前に、調査で売却の道が見つかることがあります。調整区域の家を売りたいというご相談で、調査の結果「建て替え不可」が判明したケースの実際の進め方は、相談実績の記事で詳しく書いています。▶ 相談実績11:市街化調整区域の家を売りたい

共通して言えること:迷っている段階で相談を

4つの事例に共通するのは、関係者が感情的に対立せず、利害が一致したタイミングで動けたことです。逆に、世代交代・相続・建物の老朽化が進むと、権利が分散したり感情が絡んだりして、一気に難しくなります。

だからこそ、「少し気になっている」という段階での相談が、実はいちばん大切です。借地権整理は半分くらいしかまとまらない——それは正直なところですが、まとまる側に入るかどうかは、動き出すタイミングで大きく変わります。

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春日井市で20年、借地権・底地・調整区域の整理を数多く手がけてきました。まとまるか難しいかも含めて、正直にお伝えします。
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