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2026/06/12

Vol.117 春日井市の土地、「売出価格」と「成約価格」はどれだけ違う?REINSデータ679件で調べたら意外な結果でした

「査定額のまま売れますか?」——売却のご相談で、いちばん多くいただく質問です。

この答えを感覚ではなくデータでお見せするため、不動産業者間の取引データベースREINS(レインズ)で、春日井市の売土地を全件調べました。対象は、現在販売中の土地393件と、直近12ヶ月に成約した土地286件です。

先に結論を言います。意外なことに、売れた土地の価格は、売り出されている土地の価格とほとんど変わりません。ただし、それは「売れた土地」の話です。本当の問題は別のところにありました。

データ①:単価の差は3〜5%しかない

まず、販売中の土地と成約した土地の㎡単価を比べた結果がこちらです。※令和8年6月12日調べ

販売中(在庫)393件成約 直近12ヶ月
平均㎡単価12.7万円/㎡12.3万円/㎡約3%
中央値㎡単価12.9万円/㎡12.3万円/㎡約5%
坪単価に換算(中央値)約42.6万円/坪約40.7万円/坪約2万円/坪

※公益財団法人中部圏不動産流通機構(中部レインズ)のデータをもとに当社集計。成約は、調整区域・底地権取引を除く281件。

春日井市売土地の㎡単価分布(販売中と成約の比較)

「売出価格は成約価格より1〜2割高い」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。しかし春日井市の売土地に関しては、市場全体で見るとその差は3〜5%程度。つまり、適正な価格で売り出された土地は、ほぼ値引きなしで売れているのが実態です。

ではなぜ、「売り出したのに全然売れない」という相談が後を絶たないのか。答えは次のデータにあります。

データ②:在庫は「16ヶ月分」積み上がっている

直近12ヶ月で成約した土地は286件。月平均にすると約24件です。一方、いま春日井市で売りに出ている土地は393件。

393件 ÷ 月24件 = 約16ヶ月分

春日井市売土地の需給バランス(年間成約286件と在庫393件)

これが何を意味するか。いま売りに出ている土地がこのままのペースで売れていくとしても、すべて捌けるのに1年4ヶ月かかる計算です。実際には新しい土地が毎月売りに出てくるので、「1年以上売れ残っている土地」が市場に大量に滞留していることになります。

先ほどの「単価の差が小さい」という話と合わせると、春日井の土地市場の構造はこうです。

  • 相場に合った価格の土地 → ほぼ売出価格のまま、数ヶ月以内に売れる
  • 相場より高い価格の土地 → 値引きして売れるのではなく、売れないまま在庫に残り続ける

分布のグラフを見ると、㎡単価14万円を超える価格帯では、販売中の割合が成約の割合を明らかに上回っています。この帯が「滞留ゾーン」です。高すぎる土地は買い叩かれるのではなく、そもそも検討の土俵に乗らない。これが春日井の現実です。

売主にとっての結論:「いくらで売れるか」より「売れる側に入れるか」

このデータから、売却を考えている方にお伝えしたいことは一つです。

土地の売却で考えるべきなのは「査定額からいくら値引きされるか」ではありません。最初の価格設定で、年間286件の「売れる側」に入るか、393件の「待ち続ける側」に入るかが決まる、ということです。

そして「売れる側」に入った土地は、データが示すとおり、ほとんど値引きされずに売れています。正しい相場で出すことは、安売りではありません。むしろ満額で売り切るための条件です。

逆に、最初に強気の価格で出して長期間売れ残ると、買主側から「何か問題のある土地では」と見られ、後から値下げしても反応が鈍くなります。これは私が20年以上この仕事をしてきて、何度も見てきたパターンです。

ご自身の土地が「どちら側」か知りたい方へ

当社では、今回のような同じ春日井市内のREINS成約データをもとに、「この場所・この広さなら、過去1年でいくらで何件成約しているか」を具体的にお示しした上で査定額をご提案しています。

高く見せるための査定額は出しません。売れる価格を、根拠のデータと一緒に正直にお伝えします。その上で売るかどうかは、ゆっくりご判断いただければ結構です。

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