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2026/05/19

Vol.106 相続した実家、売ると税金が高い?|知らないと損する「3,000万円控除」とは

「親の実家を相続したけど、売ったら税金ってどれくらいかかるんだろう…」

実家を相続された方からよくいただく相談です。「売れても税金でかなり持っていかれるんじゃ…」と不安に感じる方も多いです。でも実は、一定条件を満たせば売却益から最大3,000万円を控除できる特例があります。

正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)を売った場合の3,000万円特別控除」。適用期限は令和9年(2027年)12月31日までです。使えるかどうかで手取りが大きく変わるため、売却前に必ず確認してください。

なぜ税金がかかるのか

不動産を売却して利益が出ると「譲渡所得税」がかかります。昔安く買った土地・相続した実家・値上がりした不動産などを売ると、思った以上に利益が出て税金が高額になることがあります。特に相続不動産は「取得時の価格がわからない」ケースも多く、税額に驚かれる方が少なくありません。

3,000万円控除の仕組み

この制度を使うと、売却益(譲渡所得)から最大3,000万円まで控除できる可能性があります。

  • 売却益が2,500万円 → 控除で課税ゼロになる可能性
  • 売却益が4,000万円 → 3,000万円差し引いた残り1,000万円に課税

使えるかどうかで手取りがかなり変わる制度です。

主な適用条件(6つ)

条件内容・注意点
①亡くなった方が住んでいた家被相続人が居住していた住宅が対象。老人ホーム・介護施設入所中でも一定条件を満たせば対象になる場合がある
②昭和56年5月31日以前建築旧耐震基準の建物が対象。昭和57年以降建築は原則対象外
③マンションは対象外基本的に戸建住宅が対象。区分所有マンションは原則対象外
④相続後、空き家のまま売却相続後に居住・賃貸・事業利用した場合は対象外になる可能性がある
⑤耐震改修または解体更地が必要古い建物をそのまま売るだけでは適用不可。令和6年以降の譲渡は売却後に買主側が解体・改修しても適用可能に(翌年2月15日まで)
⑥売却期限相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。制度自体も令和9年(2027年)12月31日が期限

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令和6年改正で「売却後の解体」でも適用可能に

以前はこの特例を使うために、売却前に耐震改修や解体を終えている必要がありました。しかし令和6年(2024年)以降の譲渡については、売却後に買主側で解体・耐震改修を行う場合でも一定条件を満たせば対象となる可能性があります。

具体的には、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに解体または耐震改修が行われれば適用対象になるケースがあります。この改正によって「先に解体費を払わないと売れない」という負担が減り、かなり使いやすくなりました。

知らずに損している人が多い理由

この制度は知名度が上がってきましたが、実際には以下のような理由で使えなかったケースが少なくありません。

  • 制度を知らないまま売却してしまった
  • 相続から3年の期限が切れていた
  • 「古い家だからそのまま売れば使える」と誤解していた(解体・耐震改修が必要)
  • 相続後に少しでも賃貸に出していて対象外になった
  • 老人ホーム入所中だったため使えないと思い込んでいた(実は使える場合がある)

売る前の確認が本当に大事

空き家相続では税金・名義・解体・売却時期・建物状態がすべてつながっています。「売ってから考える」ではなく「売る前に整理する」ことが非常に重要です。

この特例は税務制度なので、最終的には税理士・税務署への確認も必要です。不動産だけでなく税務・相続・売却をセットで考える必要があります。

空き家は「考え始めるのが早いほど有利」

相続した実家は感情的にも整理が難しいです。思い出がある・まだ決断できない・家族と話がまとまらない——そういうケースが本当に多いです。

ただ一方で、空き家は時間が経つほど建物劣化・管理負担・税負担・特例期限切れなど選択肢が減っていきます。「今すぐ売るか」でなくても「今どんな状況なのかを整理する」だけでも大きな意味があります。期限付きの税務特例は、後から知っても取り返せないことがあります。

まとめ

  • 相続した実家の売却には譲渡所得税がかかるが、3,000万円控除で大幅に軽減できる可能性がある
  • 適用には①居住用②昭和56年5月31日以前建築③戸建て④空き家のまま売却⑤耐震改修or解体⑥売却期限の6条件がある
  • 令和6年以降の譲渡は売却後の解体でも適用可能に。売却のハードルが下がった
  • 老人ホーム入所中でも一定条件を満たせば対象になる場合がある
  • 制度の期限は令和9年(2027年)12月31日。相続から3年以内の売却も必要
  • 最終的には税理士確認が必要。不動産・税務・相続をセットで考える

相続した実家をどうするか悩んでいる・税金がどれくらいかかるか不安・売るべきか迷っているという方は、まず現状整理から始めてみることをおすすめします。

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