春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2026/05/11
Vol.96 子どもが実家を継がない時代。親と子それぞれが今すぐ考えておくべきこと
「子どもは実家に戻ってこない。家もいらないと言っている。」
不動産の相談をしていると、この話を本当によく聞くようになりました。以前は「長男が家を継ぐ」「実家には誰かが住む」という感覚がある程度当たり前でしたが、今は状況が変わっています。
- 子どもが県外・都市部に就職してそのまま定住
- すでに自分でマンションを購入している
- パートナーの実家の近くに住んでいる
- 地元へ戻る予定がない
これは子どもが親不孝なのではなく、時代そのものの変化です。そしてこの変化は、不動産の持ち方・引き継ぎ方の考え方を根本から変えつつあります。
「残す」ことが必ずしも正解ではない時代
かつて実家は「家族の思い出」「親の財産」「子どもへ残すもの」という意味を持っていました。しかし今は、残された側が困るケースが急増しています。
- 遠方に住んでいて管理できない
- 誰も住まないのに固定資産税が毎年かかる
- 草木の管理・清掃ができない
- 老朽化が進んで解体が必要になる(木造30坪で100〜150万円程度)
- 相続登記が未了のまま放置され、売れなくなる
- 空き家として特定空家に指定されると固定資産税の優遇が外れる
「資産として残す」つもりが「負担として残る」という逆転が、今の日本で大量に起きています。
親世代が今すぐ考えておくべきこと
子どもが継がないことがわかっているなら、親が元気なうちに方針を決めておくことが最善策です。認知症などで判断能力が失われると、不動産の売却・贈与・名義変更が自由にできなくなります。
①売却を検討する
今なら売れる可能性が高い状態のうちに売却して、現金化しておく。現金は子どもに分けやすく、管理の手間もありません。「家を売ることへの罪悪感」を持つ方もいますが、子どもが困らないようにしておくことが本当の親心だと思います。
②贈与・名義変更を検討する
子どもに贈与する場合は贈与税・不動産取得税の負担が発生するため、税理士に相談の上で計画的に進める必要があります。相続時精算課税制度など、状況によって有利な方法があります。
③賃貸に出す
すぐに売る必要がない場合、賃貸に出して収益を得ながら所有を続ける選択肢もあります。ただし、管理・修繕・入居者対応の手間があるため、管理会社への委託コストも含めて採算を計算する必要があります。
④遺言書を作成しておく
「誰に何を残すか」を明確にしておくことで、相続発生後の家族間トラブルを防げます。不動産は分けにくい資産なので、「売却して現金で分ける」「特定の相続人が取得する代わりに代償金を払う」など、方針を事前に決めておくことが重要です。
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子ども世代が今すぐ考えておくべきこと
「実家は継がない・いらない」と思っていても、相続が発生すれば自動的に相続人になります。「関係ない」では済まされません。
①相続放棄という選択肢
不動産を含む相続財産すべてを放棄することができます。ただし相続発生を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申請する必要があり、財産だけでなく負債も放棄することになります。
②相続登記を放置しない
2024年から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記申請しなければ過料の対象になります。「使わないから放置」は許されない時代です。
③親が元気なうちに話し合っておく
「実家はどうするか」「誰が何を引き継ぐか」「売却する場合はいつ頃か」——これを親が元気なうちに家族で話し合っておくことが最も重要です。相続発生後に初めて話し合うと、感情が絡んでまとまらないケースが多いです。
「実家を売ること」に罪悪感を持たなくていい
相談の中で「実家を売ることへの後ろめたさ」を口にする方がいます。親が建てた家・育った思い出の場所——その気持ちは当然です。
でも私はこう思います。実家を売ることは「手放すこと」ではなく、「次の世代が困らないように整理すること」です。管理できない状態で放置するより、きちんと売却して現金化した方が、家族全員にとって後悔の少ない選択になることが多いです。
「持ち続けること」だけが正解ではない時代になっています。どう引き継ぐか・どう整理するかを、家族で早めに話し合っておくことが、最も大切なことだと思います。
まとめ
- 子どもが実家を継がないケースは今後さらに増える。これは時代の変化であり親不孝ではない
- 「残す」ことが必ずしも正解ではない。管理できない不動産は「負担」になることがある
- 親は元気なうちに「売る・貸す・贈与する・遺言書を書く」の方針を決めておく
- 子どもは相続放棄・相続登記義務・家族での話し合いを今から意識しておく
- 実家を売ることへの罪悪感は不要。整理することが家族への最善策になることが多い
「うちはまだ大丈夫」と思っているうちに、親の判断能力が低下して選択肢がなくなるケースを何度も見てきました。早めに動き出すことが、後悔の少ない選択につながります。
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監修者情報

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春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣
