春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2025/03/19
Vol.46「隣の土地は借金してでも買え」は本当?隣地を買う・隣人に売るときの価格と注意点
「隣の土地は借金してでも買え」
昔から不動産では、こんな言葉があります。
では本当に、隣の土地が売りに出たら多少高くても買った方がいいのでしょうか?
逆に、自分の土地を売るときは、隣の人なら相場より高く買ってくれるのでしょうか?
結論から言うと、隣地を買うことで、自分の土地の使い勝手や価値が大きく上がるケースは確かにあります。
ただし、「隣だから高くても買うべき」「隣人なら高く売れる」と単純に考えるのは危険です。
大切なのは、隣地を取得することで、自分の土地にどれだけ新しい価値が生まれるのかを見ることです。
春日井市で20年以上不動産売買に携わってきた経験から、買う側・売る側それぞれの考え方を解説します。
「隣の土地は借金してでも買え」と言われる理由
隣地には、一般の買主にはない価値が生まれることがあります。
たとえば30坪の土地が1,000万円で売られているとして、一般の人にとっては「1,000万円の土地」です。
しかし、その土地を取得することで自分の土地の間口が広がったり、旗竿地が使いやすくなったり、駐車場を増やせたりするなら、隣人にとっての価値は1,000万円だけではありません。
買う土地そのものの価値+自分がすでに持っている土地に生まれる価値があるからです。
💡 隣地の価値は「その土地単独の価格」だけでは決まりません
隣地を取得したことで、自分の土地の間口・形状・利用方法・将来の売却可能性まで改善するなら、一般の買主より高い価格を出しても合理的なケースがあります。
隣地を買うメリット① 土地の使い勝手がよくなる
一番分かりやすいのは、土地を広く使えることです。
- 駐車場を1台増やせる
- 庭を広げられる
- 増築できる可能性が生まれる
- 二世帯住宅への建て替えを検討できる
- 賃貸住宅など別の土地活用を検討できる
など、今まで土地の広さが原因でできなかったことが可能になる場合があります。
ただし、土地が広くなれば何でも建てられるわけではありません。用途地域、建ぺい率・容積率、接道条件などの確認は必要です。
隣地を買うメリット② 間口や土地の形が改善する
不動産の価値は「何坪あるか」だけでは決まりません。
特に土地では、
- 道路にどれだけ接しているか
- 間口が何mあるか
- 土地がどんな形をしているか
- 建物を配置しやすいか
- 車が出入りしやすいか
といった条件が重要です。
そのため、隣地を少し買い足すだけで土地全体の使い勝手が大きく変わることがあります。
特に、旗竿地、間口の狭い土地、変形地などでは検討する価値があります。
ただし、「旗竿地だから相場の○割」「整形地になれば必ず○%上がる」と一律には判断できません。
重要なのは、隣地取得前と取得後で、その土地にどんな建物が建てられるようになるのか、どんな買主が買えるようになるのかを比較することです。
隣地を買うメリット③ 将来売りやすくなることがある
土地は広ければ広いほど高く売れるわけでも、狭ければ必ず安いわけでもありません。
大切なのは、地域の需要に合った土地かどうかです。
たとえば、住宅地で戸建住宅を建てるには少し狭い土地でも、隣地を取得することで一般的な住宅用地として使いやすい広さ・形になることがあります。
そうなれば、将来売却するときの買主候補が増える可能性があります。
土地の広さと売りやすさについては、Vol.62「50坪か200坪、どちらが高く売れる?」でも詳しく解説しています。
実際にあるケース① 旗竿地が隣地取得で使いやすくなる
たとえば、道路側に30坪、その奥に40坪の旗竿地があるとします。
道路側の土地が売りに出たとき、奥の所有者が取得できれば、70坪を一体として利用できる可能性があります。
旗竿地のままでは建物配置や駐車スペースに制約があったものが、道路側の土地と一体化することで使い方が大きく変わることがあります。
こういう土地なら、一般の買主より隣地所有者の方が高く評価できる可能性があります。
実際にあるケース② 全部ではなく「一部だけ買う」
隣の土地が100坪あるからといって、100坪全部を買う必要はありません。
たとえば、自宅の間口を2m広げるために必要な部分だけを売ってもらう方法もあります。
買う側は必要以上の土地を買わずに済み、売る側も残った土地を利用できるので、双方にメリットが生まれる場合があります。
ただし、一部売却には測量・分筆登記などが必要になります。
また、売った後に残る土地の形や価値まで確認しないと、売主側が不利になることもあります。
では「借金してでも買う」は本当?
ここが一番重要です。
隣地だからという理由だけで、高値でも買うべきではありません。
判断するときは、少なくとも次の3つの価格を分けて考えます。
| 見る価格 | 考え方 |
|---|---|
| 隣地単独の市場価格 | 一般の買主ならいくらで買う土地なのか |
| 取得によって増える価値 | 自分の土地の使い勝手・建築可能性・売却可能性がどれだけ改善するか |
| 購入にかかる総額 | 土地代だけでなく測量・登記・税金・仲介手数料なども含めて考える |
たとえば、市場価格1,000万円の隣地を1,200万円で買うとしても、取得によって自分の土地全体の価値がそれ以上に改善するなら、200万円高く買うことには合理性があるかもしれません。
逆に、買い足しても土地の使い方がほとんど変わらないなら、相場より高く買う意味は薄くなります。
⚠️ 「隣地だから欲しい」と先に価格交渉を始めない
まず「取得すると自分の土地がどう変わるのか」を確認してください。建築計画や接道条件によっては、思っていたほどメリットがない場合もあります。価格交渉はその後です。
売る側から見ると、隣人は「特別な買主」になることがある
ここからは売主側の話です。
土地を売る場合、隣地の所有者は一般の買主とは違う価値を感じてくれることがあります。
自分の土地を買うことで、隣人の土地の間口が広がったり、土地の形が改善したりするなら、その人にとっては市場価格以上の価値が生まれる可能性があるからです。
そのため、土地を売る前に「隣地所有者ならこの土地をどう評価するか」を確認する価値はあります。
特に、隣地が次のような土地なら検討したいところです。
- 旗竿地
- 間口が狭い土地
- 変形地
- 駐車スペースが不足している住宅
- 土地を広げることで利用方法が変わりそうな土地
ただし「隣人なら高く買う」と決めつけない
ここも大切です。
隣地所有者にとって価値があるからといって、必ず相場より高く買ってくれるわけではありません。
むしろ相手からすると、
「うち以外に売りにくい土地なのでは?」
と考えることもあります。
売主側も、隣人だけに話を持ち込んでしまうと、その価格が高いのか安いのか判断しにくくなります。
ですから、先に一般市場での査定価格を確認しておくことが重要です。
💡 隣人に声をかける前に、まず普通に売った場合の価格を知る
一般市場での価格を基準にして、「隣地だからこそ生まれる価値」があるのかを考えます。基準価格を持たずに隣人と直接価格交渉を始めると、売主自身も判断できなくなります。
隣人との直接交渉は慎重に
隣人同士だからこそ、価格交渉は意外と難しいものです。
売主は「隣だから少しくらい高く買ってくれるだろう」と思い、買主は「隣同士なんだから安く譲ってくれるだろう」と思う。
この期待のズレから、今後の近所付き合いまで悪くなることがあります。
また、一部売却なら測量や分筆、越境、境界、残地の価値など、価格以外にも決めることがあります。
隣人同士で話がまとまりそうな場合でも、条件整理や契約は不動産会社などの専門家を入れて進めた方が安全です。
隣地を買わない方がいいケース
- 買い足しても土地の形や使い勝手がほとんど改善しない
- 必要以上に土地が広くなり、将来かえって売りにくくなる
- 希望する建築・利用が法令上できない
- 価格が高すぎて、取得によるメリットを上回る
- 測量・造成・解体などを含めると総額が大きくなりすぎる
隣の土地は、一度他の人に売られてしまえば次に買える機会がいつ来るか分かりません。
だからこそ検討する価値はあります。
でも、「二度と買えないかもしれない」という焦りだけで買うのは違います。
隣地を買いたいときの進め方
- ① 自分の土地と隣地の状況を確認する
- ② 隣地取得によって何が改善するか調べる
- ③ 隣地単独の市場価格を査定する
- ④ 全部必要なのか、一部だけでもよいのか考える
- ⑤ 所有者へ購入の意思を伝える
- ⑥ 価格・測量・引渡条件などを交渉する
「隣だから欲しい」ではなく、先に土地の価値を調べてから交渉するのがポイントです。
隣人に土地を売りたいときの進め方
- ① 一般市場での査定価格を確認する
- ② 隣人にとってどんな価値がある土地か確認する
- ③ 全部売却・一部売却の可能性を比較する
- ④ 隣地所有者へ打診する
- ⑤ 一般市場で売った場合と条件を比較する
- ⑥ 売買条件を書面で整理する
特に売主の場合、「隣人に売ること」と「隣人にしか売らないこと」は別です。
一般市場という選択肢を持ったうえで隣人と交渉した方が、価格を冷静に判断できます。
まとめ|隣地は「いくらで買うか」より「買うと何が変わるか」
- 隣地取得によって土地の使い勝手や価値が大きく改善することがある
- 旗竿地・狭い間口・変形地などでは特に効果が大きい場合がある
- 全部ではなく一部だけ購入・売却する方法もある
- 隣地だからといって高値でも買えばいいわけではない
- 買う前に「取得すると自分の土地がどう変わるか」を確認する
- 売主にとって隣人は特別な買主になる可能性がある
- ただし隣人なら必ず高く買うわけではない
- 売主は一般市場での査定価格を確認してから交渉する
「隣の土地は借金してでも買え」という言葉は、何が何でも高く買えという意味ではないと思います。
隣地は、自分の土地の価値そのものを変える可能性がある。
だから、売りに出たときには一度きちんと検討する価値がある、ということです。
買う場合も売る場合も、まず土地単独の価格だけでなく、隣地と一体になったときに何が変わるのかを確認することが大切です。
春日井市で「隣の土地を買いたい・隣人に土地を売りたい」方へ
隣地の売買は、普通の土地売買よりも「誰が買うか」で価格が変わりやすい取引です。
春日井シティ不動産では、現在の土地価格だけでなく、隣地を取得した場合の土地形状・間口・利用方法なども確認しながら、買う価値・売る価格・交渉方法を整理します。
まだ相手に話をしていない段階でも構いません。
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監修者情報

-
春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣
