春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2025/04/14
Vol.64 先祖代々の土地を売るのは悪いこと?「残す・売る」を決める5つの判断材料
「先祖代々の土地を、自分の代で売ってしまっていいのだろうか」
「使っていないし、管理も大変。でも売るとなると、先祖に申し訳ない気がする」
相続した実家や土地の相談では、価格や税金より先に、こうした気持ちを話される方がいます。
私は、この感覚はよく分かります。
私自身も長男として実家をどうするか、10年ほど悩んだ末に売却した経験があるからです。
土地は普通の商品とは違います。
そこには親や祖父母の暮らしがあり、家族の歴史があります。
だから「使わないなら売ればいい」と簡単に割り切れないのは当然だと思います。
一方で、土地を残すことにも責任があります。
この記事では「売った方がいい」「残した方がいい」という結論を出すのではなく、その土地を次の世代まで持ち続ける意味があるのかを考えるための判断材料を整理します。
私も実家を売るまで10年ほど悩みました
私自身、長男として実家を売却した経験があります。
不動産屋ですから、土地の価格や維持費、将来のことは普通の方より分かっていたはずです。
それでも、なかなか決められませんでした。
親戚の目も気になります。
「自分の代で手放していいのか」という気持ちもありました。
母とも何度も話をしました。
最終的には「今しかない」と考えて売却しましたが、すべて割り切れたわけではありません。
今でも、維持できなかったことについて、ご先祖様に申し訳ないという気持ちは少しあります。
でも一方で、売却したことで一つの責任を果たせたような、肩の荷が下りた感覚があったことも事実です。
だから私は、先祖代々の土地について相談を受けても、簡単に「売った方がいいですよ」とは言いません。
売ることにも理由が必要ですが、残すことにも理由が必要だと思っています。
「先祖から受け継いだ土地だから残す」だけでいいのか
昔は「土地は持っていれば資産になる」という考え方が強くありました。
しかし現在は、すべての土地を同じように考えることはできません。
同じ春日井市内でも、駅への距離、道路、土地の形、周辺環境、建築条件などによって需要は大きく違います。
また、資産価値だけでなく、
- 固定資産税
- 草刈りや建物の管理
- 空き家の修繕
- 将来の解体
- 境界や近隣との問題
- 次の相続
といった負担も引き継がれていきます。
つまり土地を残すということは、資産だけではなく、その土地を管理する責任も次の世代へ渡すということです。
土地を「残す・売る」を考える5つの判断材料
私は、先祖代々の土地をどうするか迷ったら、感情だけでも価格だけでもなく、少なくとも次の5つを一度整理した方がいいと思っています。
① 今後、その土地を家族が使う予定はあるか
まず一番大切なのはこれです。
自分が住む。
子どもが家を建てる。
家族で事業に使う。
具体的な利用予定があるなら、土地を残す意味があります。
一方、「いつか子どもが使うかもしれない」と思っていても、子ども本人は別の地域で生活するつもりかもしれません。
残す側の気持ちだけでなく、受け取る側の考えも確認することが大切です。
② 持ち続けるために、年間いくらかかっているか
土地は、何もしなくても完全に無料で持てる資産ではありません。
固定資産税だけでなく、草刈り、庭木の剪定、建物の修繕、火災保険、遠方なら現地確認なども必要になります。
年間では小さく見えても、10年、20年と積み重なるとそれなりの負担になります。
一度、「この土地をあと10年持ったら、いくら必要なのか」を計算してみると判断しやすくなります。
③ 現在、その土地にはどのくらいの需要があるか
土地の価値を見るとき、単純な坪単価だけでは十分ではありません。
重要なのは、「この土地を誰が買うのか」です。
たとえば春日井市でも、
- 住宅を建てたい個人が買いやすい土地
- 建売業者が検討しやすい土地
- 隣地所有者にとって価値が高い土地
- 事業用地として可能性がある土地
- 市街化調整区域など利用方法が限られる土地
では、同じ面積でも売り方が違います。
土地の価値は「何坪あるか」だけではなく、誰にとって必要な土地なのかまで見て考える必要があります。
④ 次に相続する人は、本当にその土地を欲しいのか
これは家族で一度話してほしいところです。
親は「子どものために土地を残しておきたい」と思っていても、子どもは、
- 春日井市に戻る予定がない
- すでに自宅を持っている
- 兄弟で共有するのは避けたい
- 管理する自信がない
- 現金で残してもらった方がありがたい
と考えていることがあります。
土地を残すことが必ずしも子どものためになるとは限りません。
逆に、家族にとって大切な場所で、次の世代も残したいと考えているなら、金額だけでは測れない価値があります。
⑤ 今売った場合、実際にいくら手元に残るのか
「売るか残すか」を考えるなら、現在の価格を知っておくことも必要です。
ただし、査定価格だけを見るのではありません。
売却には仲介手数料、測量、解体などの費用が必要になることがあります。譲渡所得が出れば税金の確認も必要です。
ですから、「いくらで売れるか」と「売ったらいくら残るか」の両方を確認します。
売却後の手取りについては、Vol.16「実家を売ったら手元にいくら残る?費用・税金を解説」で詳しく説明しています。
「売らない」という判断も、もちろんあります
査定をした結果、必ず売らなければならないわけではありません。
むしろ、
- 家族が将来使う可能性が高い
- 維持管理に困っていない
- 土地として需要がある
- 貸すことで活用できる
- 家族全員が残したいと考えている
のであれば、急いで売る理由はありません。
土地によっては、売らずに貸すという選択肢もあります。
特に幹線道路沿いやまとまった面積の土地では、条件が合えば事業者へ貸す方法を検討できることもあります。
土地を売らずに活用する方法については、Vol.110「土地を売らずに事業者に貸す『事業用定期借地』という選択肢」でも解説しています。
一方、「何となく残す」は一度考え直してみる
私が少し気になるのは、明確な理由がないまま、
「先祖から受け継いだから、自分もそのまま子どもへ渡す」
となっているケースです。
それが家族の意思なら問題ありません。
でも、誰も使わない土地を管理し続け、さらに共有者が増えていけば、次の世代の方が処分しにくくなることがあります。
相続を重ねれば、権利関係が複雑になることもあります。
だから、「残す」という選択も、一度きちんと考えて選ぶことが大切です。
💡 売ることも、残すことも「土地を引き継ぐ責任」の一つ
先祖から受け継いだ土地を大切にする方法は、所有し続けることだけではないと思います。家族で考えた結果、次の世代へ土地として残すことも、売却して別の形の資産として残すことも、どちらも一つの選択です。
春日井市でも、土地の価値は一律ではありません
「春日井市の土地は今後上がりますか?下がりますか?」と聞かれることがあります。
私は、市全体を一つにして「上がる」「下がる」とは考えない方がいいと思っています。
同じ春日井市でも、駅への距離、道路、土地の大きさ・形、周辺環境、建築条件などによって需要は違うからです。
たとえば、道路条件だけでも土地の使い勝手や建築の可能性は変わります。
詳しくは、Vol.98「道路で土地の価値は大きく変わる」でも解説しています。
将来の価格を正確に予測することはできません。
だからこそ、「10年後に上がるか下がるか」を当てようとするより、今の土地の需要と、家族が持ち続ける目的を確認する方が現実的です。
迷っているなら、売却を決める前に一度査定してみる
「査定を頼んだら、売らないといけないのでは?」と思われる方もいます。
そんなことはありません。
むしろ、売るか残すか迷っている段階だからこそ、
- 今ならいくらくらいで売れそうか
- どんな人が買いそうか
- 売却にどんな費用がかかりそうか
- 売らずに活用する方法はあるか
を知っておく意味があります。
その情報を家族で共有したうえで、「残す」「売る」「貸す」を考えればいいと思います。
まとめ|先祖の土地を大切にする方法は、一つではない
先祖代々の土地を売ることに迷うのは、その土地を大切に思っているからだと思います。
だからこそ、急いで結論を出す必要はありません。
- 家族が将来使う予定はあるか
- 維持管理にどれくらい費用と手間がかかるか
- 現在どのくらい需要がある土地なのか
- 次に相続する人は本当に欲しいのか
- 今売却したら、いくら手元に残るのか
この5つを一度整理してみてください。
その結果、「やっぱり残そう」と決めるのもいい。
「自分の代で整理しよう」と決めるのもいい。
大切なのは、何となく持ち続けるのではなく、家族で考えて選ぶことだと思います。
春日井市で「土地を残すか、売るか」迷っている方へ
まだ売却すると決めていなくても構いません。
春日井シティ不動産では、土地の価格だけでなく、現在の需要、売却した場合の費用、残す場合の問題、活用できる可能性まで一緒に整理します。
その結果、「今は売らない」という結論になっても問題ありません。
春日井市の実家・相続した土地のご相談
「売った方がいいのか、残した方がいいのか分からない」という段階からご相談ください。土地の現状を確認し、判断に必要な材料を整理します。
電話:0568-87-3921
👉 無料査定・お問い合わせはこちら
あわせて読みたい関連記事
監修者情報

-
春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣
