春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2026/05/08
Vol.91 今なら売れる。でも10年後は分からない。春日井市でも始まっている「家余り時代」の現実
「この辺りも、空き家増えたよね。」
最近、春日井市でもそんな声を聞くことが増えました。実際に相談を受けていると、親が亡くなった実家・誰も住まなくなった家・管理されなくなった空き家は確実に増えています。
これはもう「将来の話」ではありません。今、春日井市で起きていることです。
「土地神話」が崩れた後の日本で、何が起きているのか
高度成長期の日本では「土地は持っていれば安心」「不動産は値上がりする」という土地神話が本当に存在していました。実際、あの時代は人口が増え続け、住宅需要が右肩上がりだったので、それは正しかった。
しかし今は違います。日本の人口は2008年をピークに減少に転じています。2024年の出生数は70万人を下回り、過去最少を更新しました。人口が減るということは、住宅を必要とする人が減るということです。
全国の空き家数はすでに900万戸を超えています。約7軒に1軒が空き家という計算です。この数字は今後さらに増えることが確実視されています。
春日井市の現実:今は動いている、でも…
春日井市は人口約31万人、名古屋のベッドタウンとして一定の住宅需要があります。中部国際空港や名古屋市へのアクセスも良く、今の段階では土地・住宅ともにまだ動いています。
ただし、すでに変化の兆候はあります。
- 高蔵寺ニュータウンなどの大型団地は高齢化が著しく進んでいる
- 昭和40〜50年代に住宅を取得した世代が相続期を迎え、空き家が急増している
- 郊外の住宅地では「売りに出ているのに売れない」物件が増えている
- 2024年の春日井市の人口は微減傾向が続いており、増加局面ではない
不動産価格は需要と供給で決まります。売りたい人が増え、買う人が減れば、価格は弱くなります。今はまだそのバランスが保たれていますが、10年後も同じとは限りません。
💬 「今売るべきか、まだ持っておくべきか判断できない」という方へ。
春日井市のエリア別の需要動向・将来の見通しをお伝えします。まだ売ると決めていない段階でも大丈夫です。
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「売れる不動産」と「厳しくなる不動産」の格差が広がる
今後、春日井市の中でも二極化が進むと考えています。一言で「春日井の不動産」とひとくくりにできない時代になりつつあります。
| 売れ続けやすい不動産 | 今後厳しくなる可能性がある不動産 |
|---|---|
| 駅から徒歩圏内 | 駅から遠い・バス便のみ |
| 整形地・接道条件が良い | 旗竿地・接道不良・再建築不可 |
| ハザードリスクが低い | 浸水・土砂災害リスクが高い |
| 管理状態が良い | 老朽化・長期空き家 |
| 利便施設が近い(スーパー・病院) | 周辺施設が撤退している郊外 |
「春日井だから大丈夫」ではなく、「春日井の中でも、この土地はどうか」という目線で考えることが重要です。
「とりあえず持っておく」が難しくなる理由
昔は「そのうち子どもが使うかも」という感覚もありました。でも今は、子どもが実家に戻らない・遠方に住んでいる・そもそも引き継ぎたくないというケースが増えています。
「持っているだけ」でも以下のコストが発生し続けます。
- 固定資産税(年間数万〜十数万円)
- 草刈り・清掃などの管理費用
- 火災保険・その他維持費
- 将来的な解体費用(木造30坪で100〜150万円程度)
- 特定空家・管理不全空家に指定されると固定資産税の優遇が外れる
さらに、空き家は時間とともに傷みます。湿気・シロアリ・雨漏り・外壁の崩落——放置期間が長いほど状態は悪化し、解体以外の選択肢がなくなることもあります。「あとで考えよう」が、最も選択肢を狭める判断です。
20年現場にいて感じること
この仕事を20年やってきて、一番後悔している売主さんに共通するパターンがあります。
「もう少し早く動いていれば、もっと高く売れた」
逆に、満足いく売却ができた方に共通しているのは、「困る前に動いた」という点です。建物がまだ使える状態のうちに・相続人が元気なうちに・市場にまだ需要があるうちに決断した方は、選択肢が多く、価格面でも有利でした。
「今なら売れる」は、永遠に続く状態ではありません。建物は傷み、法改正は進み、需要は変化します。今の状況が使える選択肢のうちの一つであることを、知っておいてほしいと思います。
では、どう考えればいいのか
「今すぐ売れ」と言いたいわけではありません。大切なのは「自分の不動産の現状と将来を、一度きちんと整理すること」です。
- この土地・建物に今どれくらいの需要があるか
- 10年後もその需要は続いていそうか
- 子どもや家族は引き継ぐ意思があるか
- 持ち続けるコストと売却した場合の手取りを比較する
- 売る・貸す・活用する・解体するという選択肢をフラットに検討する
困ってから考えるのではなく、まだ選択肢があるうちに整理しておく。それだけで、将来の後悔がかなり変わります。
まとめ
- 日本全体で「家余り時代」が進行中。空き家は900万戸超、出生数は過去最少
- 春日井市は今のところ需要があるが、変化の兆候はすでに始まっている
- 今後は「売れる不動産」と「厳しい不動産」の格差がさらに広がる
- 「とりあえず持っておく」はコストとリスクが積み重なる選択
- 空き家は放置するほど状態が悪化し、選択肢が狭まる
- 「今なら売れる」は永遠に続く状態ではない。選択肢があるうちに動く
「まだ困っていないから」という理由で後回しにするほど、将来の選択肢が減っていきます。一度、自分の不動産について整理してみてください。
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監修者情報

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春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣
