春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2026/02/19
Vol.34 空き家を「とりあえず持ち続ける」はアリ?知らないと損する維持コストとリスクを整理
「売るのも迷う。貸すのも不安。だからいったんそのまま。」
空き家についてご相談を受けると、こういう声をよく聞きます。「持ち続ける」という選択は間違いではありません。ただし、知らないまま持ち続けるのと、現実を把握した上で持ち続けるのでは、将来の結果が全然違います。
今日はできるだけフラットに、「持ち続ける」という選択のメリットと現実的なリスクを整理します。
持ち続けることのメリット
①思い出を守れる
実家には家族の歴史があります。「簡単には手放せない」という気持ちはとても自然なものです。気持ちの整理に時間が必要な場合、少し時間を置くこと自体が必要なこともあります。
②将来の選択肢を残せる
子どもが将来住むかもしれない、自分が戻るかもしれない、タイミングを見て売るかもしれない——今すぐ決断しなくていいという安心感があります。
③売却市場を見極められる
不動産市場は変動します。「今より良い条件で売れるタイミングを待つ」という判断が正解になることもあります。ただしこれは、市場の動向を把握している場合に限ります。
持ち続ける現実的なコストとリスク
①固定費は確実にかかり続ける
使っていなくても支払いは続きます。年間の目安は以下の通りです。
| 費用の種類 | 年間の目安 |
|---|---|
| 固定資産税 | 5〜12万円 |
| 草刈り・庭木の管理 | 3〜10万円 |
| 火災保険(空き家用) | 1〜3万円 |
| 簡単な修繕・点検 | 2〜5万円 |
| 合計目安 | 年間10〜30万円 |
5年持ち続けると50〜150万円のコストがかかります。「とりあえず」の期間が長くなるほど、積み重なる負担は大きくなります。
②建物は確実に劣化する
人が住まない家は、想像以上に早く傷みます。換気されないことでカビ・シロアリ・腐食が進みます。数年経つと修繕費が想像以上にかかり、最終的には解体しか選択肢がなくなるケースもあります。
建物の傷みが進むほど売却価格は下がります。「持ち続けた結果、売れる値段がなくなった」というケースは珍しくありません。
③特定空家・管理不全空家に認定されるリスク
管理不十分な空き家は「管理不全空家」「特定空家」として行政から指導・勧告を受ける可能性があります。特定空家に認定されると、固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が最大6倍になることがあります。
④相続人が増えて将来の手続きが複雑になる
名義人が亡くなってから時間が経つほど、相続人の数が増えて合意形成が難しくなります。2024年4月から相続登記が義務化されており、放置すると過料の対象になる可能性もあります。
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維持コスト・売却価格・税金を含めて、自分のケースで比較します。まだ決めていない段階でも大丈夫です。
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「知らないまま保留」と「知った上で保留」は全然違う
持ち続けること自体は悪くありません。大切なのは、以下を把握しているかどうかです。
- 今いくら維持費がかかっているか
- 今売ったらいくら手元に残るか
- 5年後・10年後にどうなりそうか
これを知らないままの「なんとなく保留」は、気づいたときに選択肢が減っています。理解した上での「意識的な保留」は、いつでも動き出せる状態です。
「持ち続ける」と決めるなら、期限を決めることをおすすめします。「あと1年」「三回忌が終わったら考える」など、期限があるだけで気持ちの負担が大きく変わります。
まとめ:「持ち続ける」は選択肢のひとつ。でも情報は今持っておく
- 持ち続けることは間違いではない。ただし年間10〜30万円のコストがかかり続ける
- 建物は人が住まないと傷む。傷むほど売却価格は下がる
- 特定空家認定・相続登記義務化など、行政のリスクも増している
- 「なんとなく保留」より「期限を決めた保留」の方が将来の後悔が少ない
- 決断は今でなくていい。でも維持コストと売却価格は今把握しておく
決断を急かしたいわけではありません。ただ、情報を持った上で「持ち続ける」と決めるのと、何も知らないまま流されるのでは、5年後・10年後の結果が大きく変わります。
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監修者情報

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春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣
