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2025/04/17

Vol.66 不動産の値引き交渉はいくらまで?買主・売主それぞれの判断ポイントを解説

「この土地、100万円くらい安くなりませんか?」

「2,980万円で売り出している家に、2,800万円で買いたいという申込みが入った。受けた方がいいですか?」

不動産売買では、価格交渉は珍しいことではありません。

買主はできるだけ安く買いたい。

売主はできるだけ高く売りたい。

当然、立場は反対です。

ただ、不動産の価格交渉には「何%なら値引きできる」「100万円までは普通」といった決まりはありません。

大切なのは、値引き額だけを見るのではなく、その物件の相場、売り出してからの期間、他の買主の動き、売主・買主それぞれの事情を見て判断することです。

この記事では、春日井市で20年以上不動産売買に携わってきた経験から、買主・売主それぞれの価格交渉の考え方を解説します。

結論|不動産の値引きに「相場」はありません

「不動産は何%くらい値引きできますか?」と聞かれることがあります。

でも、一律には答えられません。

たとえば3,000万円の物件でも、

  • 売り出したばかりで問い合わせが多い3,000万円
  • 半年以上売れていない3,000万円
  • 相場より少し高めに設定している3,000万円
  • すでに価格を見直した後の3,000万円

では、売主が値引きに応じる可能性はまったく違います。

💡 「いくら値引きできるか」より「その価格なら売主が売る理由があるか」

価格交渉は、売り出し価格から機械的に何%引く話ではありません。現在の相場と売主の状況を見ながら、双方が納得できる条件を探す作業です。

買主側|価格交渉は「この金額なら買います」が基本

買主側で最も大切なのは、価格交渉を単なる値段確認にしないことです。

たとえば2,500万円の中古住宅を見て、

「2,300万円なら買えるか聞いてください」

と交渉するのであれば、基本的には「2,300万円なら購入する」という意思が前提です。

そのため実務では、購入申込書(買付証明書)に希望価格や条件を書いて売主へ提示することが一般的です。

単に「いくらまで下がりますか?」と探るより、購入意思と希望条件を明確にした方が、売主も判断しやすくなります。

買主が価格交渉する前に確認したい3つのこと

① 売り出し価格は相場と比べてどうか

まず確認するのは、「高いか安いか」ではなく、周辺の成約事例や競合物件と比べてどうなのかです。

適正な価格で売り出されている物件に大幅な値引きを求めても、売主が応じる理由はあまりありません。

逆に、相場より高めの価格で長期間販売されているのであれば、価格について相談できる余地があるかもしれません。

② 売り出してからどれくらい経っているか

販売開始直後で問い合わせが複数入っている物件なら、売主は急いで値引きする必要がありません。

一方、一定期間販売しても成約していなければ、売主自身が価格を見直すタイミングを考えていることもあります。

ただし、長く売っているから必ず値引きできるわけではありません。

③ 他に購入希望者がいるか

価格だけでなく、競合する買主の存在も重要です。

自分が値引きを求めている間に、別の買主が満額で購入を申し込めば、そちらが優先される可能性があります。

実際に、購入申込みが重なって「2番手」になることもあります。

購入申込みの順位については、Vol.63「購入申込みで2番手になったら買える可能性はある?」でも詳しく解説しています。

「物件の悪いところ」を並べて値引きするのはおすすめしません

価格交渉をするとき、

  • 建物が古い
  • 駅から遠い
  • リフォームが必要
  • 土地の形が悪い

といった物件の欠点を並べて、「だから安くしてください」と交渉する方もいます。

もちろん、その条件が価格に反映されていないのであれば交渉材料になることはあります。

ただし、売主もその不動産に思い入れを持っていることがあります。

必要以上に物件を否定しても、交渉が有利になるとは限りません。

「悪いところを指摘して安くする」のではなく、「この条件なら購入したい」と伝える。

その方が話は進めやすいと思います。

売主側|値引き交渉が入ったら、まず金額だけで判断しない

ここからは売主側です。

3,000万円で売り出している物件に、2,850万円の購入申込みが入ったとします。

売主としては、

「150万円も値引きするの?」

と感じるかもしれません。

でも、このとき見るべきなのは150万円という数字だけではありません。

確認すること見るポイント
現在の相場3,000万円という価格自体が妥当か
販売期間売り出して何日・何か月経っているか
これまでの反響問い合わせ・内覧・申込みがどの程度あったか
買主の条件住宅ローン、契約時期、引渡し条件など
次の買主断った場合、同等以上の買主が現れる可能性をどう見るか

これらを合わせて判断します。

売主が値引きに応じてもいいケース

たとえば、次のような状況なら価格交渉を前向きに検討することがあります。

  • 一定期間販売しているが、具体的な申込みが少ない
  • 現在の価格が相場より少し高め
  • 買主の購入意思が明確で、契約条件も良い
  • 売主に売却期限や住み替えなどの事情がある
  • 値引き後でも売主が納得できる手取りを確保できる

重要なのは、「値引きした=損をした」とは限らないということです。

150万円の値引きを断って、その後数か月売れず、最終的にさらに価格を下げることになれば、最初の買主と契約した方が結果として良かったということもあります。

もちろん、その逆もあります。

だからこそ、その時点の反響や競合物件まで見て判断します。

逆に、値引きを断っていいケースもある

値引き交渉が来たからといって、必ず応じる必要はありません。

たとえば、

  • 販売開始直後で反響が多い
  • すでに適正価格、または競争力のある価格で販売している
  • 他にも購入を検討している人がいる
  • 売主が急いで売却する必要がない
  • 希望価格との差が大きすぎる

のであれば、満額回答や一部だけの価格調整を提示する方法もあります。

「値引きを断ったら買主が逃げる」と恐れて、すべて受け入れる必要はありません。

価格だけでなく「条件」で調整できることもある

不動産の交渉は、売買価格だけではありません。

たとえば、

  • 引渡し時期
  • 建物や残置物をどの状態で引き渡すか
  • 土地なら測量や解体をどうするか
  • 設備などをどこまで残すか

なども売買条件です。

売主が価格を少し譲る代わりに、買主に別の条件を受けてもらうこともあります。

逆に、買主が満額で購入する代わりに、売主側に条件を求めることもあります。

💡 不動産交渉は「価格だけ」で決めない

100万円高く売れても、売主負担の工事や条件が増えれば手取りが増えるとは限りません。価格とその他の条件を合わせて、最終的にどちらが有利なのかを見ることが大切です。

売主は「手取り」で考える

売主側で特に意識してほしいのは、売買価格だけではなく最終的な手取りです。

たとえば価格交渉と同時に、

  • 古家を解体してほしい
  • 確定測量をしてほしい
  • 残置物をすべて撤去してほしい

という条件が付いていれば、それぞれ費用が発生します。

「3,000万円で売れた」「2,900万円に値引きした」という表面の価格だけでなく、売却後に実際いくら残るのかまで計算して判断します。

売却時の費用と手取りについては、Vol.16「実家を売ったら手元にいくら残る?費用・税金を解説」で詳しく説明しています。

値引き交渉を想定して、最初から高く売り出せばいい?

「どうせ値引きされるなら、その分を上乗せして売り出しておけばいい」と考える方もいます。

多少の交渉余地を考えて売出価格を決めることはあります。

ただし、値引きを前提に相場から大きく離れた価格にするのはおすすめしません。

買主は周辺の物件と比較しています。

価格が高すぎれば、交渉以前に問い合わせや内覧の候補から外れてしまう可能性があります。

売出価格を決めるときは、「いくら値引きされるか」から逆算するのではなく、現在の市場でどの価格なら買主に検討してもらえるかを考える方が大切です。

価格交渉で不動産会社がやるべきこと

価格交渉が入ったとき、不動産会社の仕事は「売主に値引きしてもらうこと」ではありません。

逆に「絶対に値引きしない方がいい」と売主を煽ることでもありません。

確認するのは、

  • 現在の相場
  • これまでの問い合わせや内覧数
  • 競合している売物件
  • 買主の購入意思と資金計画
  • 価格以外の契約条件
  • 売主の売却期限や希望

です。

その材料を売主へ伝えたうえで、

  • 希望額を受ける
  • 一部だけ応じる
  • 満額で回答する
  • 今回は断る

といった選択肢を整理します。

最後に価格を決めるのは売主です。

不動産会社は、その判断に必要な情報を揃えるのが役割だと私は考えています。

まとめ|価格交渉は「勝ち負け」ではない

不動産の価格交渉では、買主は少しでも安く、売主は少しでも高く、と考えるのは当然です。

ただ、相手を言い負かした方が得をする話ではありません。

  • 値引きできる金額に決まりはない
  • 買主は「この価格なら買う」という意思を明確にする
  • 相場・販売期間・他の買主の動きを確認する
  • 売主は値引き額だけでなく、買主の条件まで見る
  • 値引きに応じることも、断ることも選択肢
  • 価格以外の条件も含めて判断する
  • 売主は売買価格ではなく最終的な手取りまで考える

買主が「この条件なら買いたい」、売主が「この条件なら売ってもいい」と思える地点を探す。

それが不動産の価格交渉です。

春日井市で売却中に値引き交渉が入った方へ

「100万円の値引きを求められたけど、受けるべき?」

「この価格を断ったら、次の買主はいつ来る?」

「他社で売却中だけど、価格設定が正しいのか分からない」

こうしたご相談でも構いません。

春日井シティ不動産では、単に「値下げしましょう」「断りましょう」と決めるのではなく、近隣の成約事例、現在の競合物件、これまでの反響などを確認して、判断材料を整理します。

春日井市の不動産売却・価格相談

価格交渉への対応だけでなく、現在の売出価格が適正かどうかというご相談も承ります。

電話:0568-87-3921
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