春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2026/07/07
Vol.129 市街化調整区域の土地・家は売れる?売却が難しい理由と、売るためのポイントを解説!
「市街化調整区域の土地(家)を相続したけれど、これって売れるの?」「不動産会社に相談したら、扱いを断られてしまった」——市街化調整区域の不動産では、こうしたお悩みが本当に多く寄せられます。この記事では、なぜ調整区域の不動産は売りにくいのか、どんな条件なら売れるのか、売る前に何を確認すべきかを、春日井の不動産屋として、実務の目線で正直に解説します。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。市街化調整区域の不動産は、「売れる/売れない」が物件ごとにまったく違い、しかも“調べてみないと分からない”のが特徴です。同じ調整区域でも、すぐ売れる土地もあれば、買い手がほぼつかない土地もあります。その違いがどこから来るのかを、順に見ていきましょう。
そもそも市街化調整区域とは
都市計画法では、土地を「市街化区域(街を作っていくエリア)」と「市街化調整区域(市街化を抑えるエリア)」に分けています。これを「線引き」と呼びます。市街化調整区域は、農地や自然を守るため、原則として新しい建物を建てられないエリアです。この「建てにくさ」が、そのまま売却の難しさにつながります。買主は「家を建てられない土地」「建て替えられない家」には、なかなか手を出せないからです。
調整区域の不動産が「売りにくい」3つの理由
理由1:建築・再建築が原則できない(買い手の用途が限られる)
建物を新築・建て替えできない土地は、買主にとって使い道が大きく限られます。今の家が古くなっても建て替えられないとなれば、「買っても、いずれ住めなくなるのでは」と敬遠されます。これが、買い手が見つかりにくい最大の理由です。
理由2:住宅ローンが付きにくい
見落とされがちですが、これがとても大きな壁です。金融機関は、お金を貸すとき不動産を担保に取りますが、調整区域の不動産は担保評価が低く見られやすく、住宅ローンの審査が通りにくい傾向があります。「買いたい人は見つかったのに、その人がローンを組めず、話が流れる」というケースは、現実によくあります。買えるのは現金で用意できる人に限られ、その分、買い手の数が減ってしまうのです。
理由3:インフラが整っていないことがある
もともと人が住むことを想定していないエリアのため、土地によっては上下水道や電気・ガスが引かれていないことがあります。引き込みに高額な費用がかかる場合もあり、これも買い手にとってのハードルになります。
逆に「売れやすい」のはどんなケース?
「調整区域=売れない」ではありません。次のような条件に当てはまると、売却のハードルはぐっと下がります。いずれも、最終的な可否は自治体(役所)の調査・判断によりますが、目安として知っておくと役立ちます。
- 線引き前から建っている家(既存宅地):市街化調整区域の線引き(昭和45年前後が多い)より前から建っていた住宅は、一定の条件のもとで建て替えが認められることがあります。建て替えできるなら、一般の住宅として売りやすくなります。ただし「既存宅地制度」は廃止した自治体も多く、運用は地域差が大きいので、役所での確認が必須です。
- 過去に開発許可を得て建てた家:開発許可の履歴があれば、同じ規模・用途での建て替えが認められることがあります。
- 市街化区域に隣接・近接している(34条11号など):周りまで市街化が進んでいるエリアや、50戸以上の集落がある区域では、条例によって建築が認められることがあります。生活圏が形成されていれば、一般の住宅として検討されやすくなります。
- 接道や条件を満たしている:「市街化区域の近くだから大丈夫」と思っても、接道条件を満たさず許可が下りないこともあります。立地だけでなく、道路付けや条例条件まで含めて確認が必要です。
特に注意:「分家住宅」と「農地」
分家住宅(属人的な許可)に注意
調整区域でよくあるのが「分家住宅」です。これは、その地域に長く住む農家などの親族が、特別な許可を得て建てた住宅のこと。ここが要注意で、分家住宅は「許可を受けた特定の人が住むこと」を前提に建てられているため、原則として、他人にそのまま売って住んでもらうことができません(属人的な許可、と呼ばれます)。売るには、用途変更などの手続きが必要で、その可否や条件は自治体ごとに大きく異なります。「相続した家が分家住宅だった」というケースでは、売却の進め方そのものが変わるため、早めに専門家・役所へ相談すべきです。
地目が「農地」なら、農地法の許可が必要
土地の地目が畑・田などの「農地」の場合、売るには農地法の許可が必要です。農地のまま売る(3条許可)と、買えるのは農家など一定の人に限られ、買い手がとても少なくなります。農家以外に売るには、宅地などへ転用する(5条許可)が必要ですが、調整区域の農地転用は簡単ではなく、県知事等の許可を要します。「畑だから安く広く売れるだろう」と思っていると、想定外に手続きが重い、ということが起こります。
建てられない土地でも、「使い道」で売れることがある
住宅としては難しくても、用途を変えれば需要が生まれることがあります。たとえば——資材置場、駐車場、太陽光発電、高齢者・介護施設、事業用地など。周辺環境や規模によっては、こうした用途で買い手が見つかることがあります。「家が建たない=価値ゼロ」ではなく、その土地に合った使い道を探すことが、売却の現実的な突破口になります。
売る前に必ず:「役所調査」で現状を確認する
ここまで読んでお分かりのとおり、調整区域の不動産は、「線引きの前か後か」「既存宅地か」「開発許可の履歴は」「分家住宅か」「地目は」「接道は」といった条件で、売れるかどうか・いくらで売れるかが大きく変わります。そして、これらは登記簿の地目や見た目だけでは分からず、役所(自治体の都市計画課・開発指導課など)で調べて初めて判明するものです。
注意したいのは、査定の前にこの役所調査をきちんとする会社かどうかです。登記簿の地目だけを見て価格を出すような進め方では、後から「実は再建築不可だった」「分家住宅で売れなかった」と、買主とのトラブルになりかねません。当社では、調整区域の物件は、査定の段階で役所調査を行い、正確な見通しと売却計画をお伝えするようにしています。
「売らない・急がない」も、立派な判断
調べた結果、思ったより安くしか売れない、あるいは手続きが重いと分かることもあります。その場合、無理に売らず、住み続ける・持ち続けるのも、立派な選択です。当社は「とにかく売りましょう」とは言いません。事実を正直にお伝えしたうえで、売る・売らないも含めて、一番納得できる道を一緒に考えます。扱いが難しい不動産ほど、可能性を一つずつ確認していくことが大切です。
※この記事は一般的な解説です。建築の可否や許可、農地転用、税金などの最終的な判断は、自治体の担当部署や、弁護士・税理士・土地家屋調査士などの専門家にご確認ください。当社でも、必要に応じて専門家と連携してお手伝いします。
実際のご相談の例も、あわせてご覧ください。住宅のケースと、土地(畑)のケース、それぞれの結末をご紹介しています。
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💬 「市街化調整区域の家・土地が売れるか分からない」という方へ。
線引き・既存宅地・分家住宅・農地・接道——売れるかどうかは、役所で調べないと分かりません。査定の段階できちんと調査し、正直に見通しをお伝えします。「どうせ売れない」と決める前に、まずはご相談ください。
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監修者情報

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春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣
