春日井シティ不動産のブログ

KASUGAI CITY REAL ESTATE

  • TOP  >  
  • ブログ  >  
  • Vol.108 相続した土地が複数ある。どの順番で売るべきか。

2026/05/26

Vol.108 相続した土地が複数ある。どの順番で売るべきか。

「親が亡くなって、土地が3つ残ったんですが…どれから売ればいいのかわかなくて」

こういうご相談は珍しくありません。実家の土地・畑・駐車場・調整区域の土地など、複数の不動産を一度に相続されるケースは多いです。「全部まとめて整理したい」という気持ちはわかりますが、順番を間違えると税金で大きく損をする可能性があります。今回は不動産屋の視点と、税務の視点から「どの順番で売るべきか」を整理します。ただし税金については状況によって大きく変わるため、最終的には必ず税理士に確認してください。

まず大前提:相続登記を先に済ませる

どの土地をどの順番で売るかの前に、まず全ての土地について相続登記を完了させることが必要です。2024年から相続登記が義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される可能性があります。登記が完了していない土地は売却活動を始めることもできません。まずここから進めてください。

不動産屋の視点:「売りにくい土地」から先に動く

資産整理の基本的な考え方として、私が実務でよくお伝えするのは「売りやすい土地は後でも売れる。売りにくい土地は今のうちに動く」という発想です。

春日井市内の人気住宅地・駅近の土地・形状の良い住宅用地は、将来的にも一定の需要が見込めます。急ぎの資金需要がなければ「取っておける資産」として残すという判断は合理的です。一方で市街化調整区域の土地・農地・遠方の土地・形状が悪い土地・再建築不可の土地は、時間が経つほど売りにくくなることが多い。建物が残っていれば老朽化も進みます。こういった「時間とともに価値が下がりやすい土地」から先に整理を始めることが、資産全体の目減りを防ぐことにつながります。

税務の視点:「3年以内」という期限を見逃さない

相続した不動産をいつ売るかという視点で知っておいてほしいことがあります。それは、相続した土地の売却には「相続税の取得費加算の特例」という税制があることです。

この特例は「相続税を払った人が相続した土地を3年10ヶ月以内に売却した場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できる」というものです。取得費が増えると売却時の譲渡所得が減り、結果として譲渡所得税の負担が軽減されます。

具体的な計算例で見てみます。

相続財産が「不動産3,000万円+預金2,000万円=合計5,000万円」で、相続税を500万円払ったとします。

売却する不動産の評価額は3,000万円なので、相続財産全体に占める割合は60%です。この場合、取得費に加算できる額は「500万円×60%=300万円」になります。この300万円を取得費に上乗せできるため、その分だけ譲渡所得が減り、税金が安くなります。数十万〜100万円以上の節税効果になるケースがあります。

この特例には期限があります。相続税申告期限(相続開始から10ヶ月)の翌日から3年以内に売却することが条件です。この期限を過ぎると特例が使えなくなります。

納税資金が必要な場合——相続税の支払い期限は10ヶ月

相続税の申告・納付期限は「相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」です。現金が手元にない場合、土地を売って納税資金を捻出する必要があります。この場合は「売りやすい土地から先に売る」という現実的な判断が必要になります。

ただし10ヶ月という期間は不動産売却のスケジュールとしてかなりタイトです。査定・媒介契約・販売活動・売買契約・決済と進めると、スムーズに進んでも3〜4ヶ月はかかります。相続が発生したらできるだけ早い段階で不動産会社・税理士に相談を始めることが重要です。

「急がない」ならどうするか——資産価値を守る整理の順番

納税資金の問題がなく「焦って売る必要はない」という場合、私がよくお伝えする考え方はこうです。

  • まず整理すべき土地——調整区域・農地・形状が悪い・遠方で管理できない・老朽化した建物がある。時間が経つほど売りにくくなる・維持コストだけが積み上がる
  • 後回しにしていい土地——春日井市内の人気住宅地・駅近・接道条件が良い・需要が安定しているエリア。今すぐ売らなくても一定の価格が期待できる
  • 専門家と相談が必要な土地——借地権が絡む・共有名義・農地・評価が複雑な土地。整理の順番より先に法的・税務的な整理が必要

不動産屋だけに相談しても答えは出ない

正直にお伝えすると、複数の土地を持っている場合の「売却順番」の最適解は不動産屋だけでは出せません。税理士・場合によっては司法書士・弁護士との連携が必要です。不動産屋にできるのは「どの土地が売りやすいか・いくらで売れそうか・どんな買主がいるか」という不動産市場の現実をお伝えすることです。それを税理士の「どの順番で売ると税負担が少ないか」という視点と合わせて、最終的な判断をしていただく形になります。

「何から相談すればいいかわからない」という段階でも構いません。不動産の現状把握・おおよその売却価格の確認・どの土地が売りやすいかの整理だけでも、まずご相談ください。

まとめ:複数の土地の売却順番を決める4つの視点

  • ①まず相続登記を全件完了させる——登記が終わらないと売却活動を始められない
  • ②納税資金が必要なら「売りやすい土地」を優先——10ヶ月という期限を意識して早めに動く
  • ③「取得費加算の特例」の期限(3年10ヶ月)を確認する——相続税を払った方は特に重要。税理士に確認を
  • ④急がないなら「売りにくい土地」から整理する——時間が経つほど価値が下がる土地を先に動かし、好立地の土地は資産として残す

👉 関連記事:相続した実家を売ると税金が高い?知らないと損する「3,000万円控除」の条件と注意点を解説

👉 関連記事:実家を売るなら、親が元気なうち?相続してから?税金の差は最大数百万円になることも

💬 「相続した土地が複数あってどこから手をつければいいかわからない」という方へ。
各土地の売りやすさ・おおよその価格・整理の順番を一緒に確認します。税理士との連携が必要な場合はご紹介も可能です。まだ売ると決めていない段階でも大丈夫です。
👉 LINEで気軽にご相談ください

  • 前の記事へ
  • 一覧へ戻る
  • 次の記事へ

監修者情報

無料査定依頼

売却方法はこちら

トップに戻る