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2025/04/28

Vol.76 道路と高低差がある土地の注意点|擁壁・造成費用・売買への影響を買主・売主両方の視点で解説

「道路より高い土地を安く買えた。でも後から擁壁工事に数百万かかると言われた。」

「高低差のある実家の土地を売りたい。値段に影響する?」

土地と道路の高低差は、買主にとっては隠れたコストリスク、売主にとっては価格に影響する重要な要素です。この記事では両方の立場から正直に解説します。

高低差のある土地とは?

土地の「高低差」とは、その土地と前面道路(あるいは隣地)との高さの違いのことです。春日井市内でも、高蔵寺ニュータウンの一部では道路から2m以上のコンクリート擁壁の上に住宅が建っている光景をよく見かけます。

【買主向け】道路より高い土地の注意点

メリット

  • 見晴らしが良く、日当たり・風通しが良い
  • 水害のリスクが少ない
  • プライバシーが確保しやすい

注意点・隠れたコスト

高低差の程度必要な工事費用の目安
1m以内ブロック積み程度数十万円程度
1〜2m程度コンクリート擁壁または補強100〜300万円程度
2m超コンクリート擁壁(法令基準適合が必要)300万円〜数百万円

擁壁が法令基準を満たさない場合、建築許可が下りないことがあります。既存の擁壁がある場合でも、その強度・構造・築年数によっては補強・やり直しが必要になることがあります。

【買主向け】道路より低い土地・がけ下の注意点

  • 雨水が流れ込みやすく水害リスクがある
  • 車の乗り入れに傾斜が必要になる場合がある
  • かさ上げ工事が必要になることがある

また、隣地が2m以上高い位置にある場合、「がけ条例」により建築物を崖から一定距離を離して建てる必要があります。建物の配置や基礎設計に大きな制限が出て、工事費が大幅に増加するケースがあります。

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【売主向け】高低差のある土地を売るときの注意点

高低差のある土地を売る場合、買主にとっての「隠れたコスト」を事前に把握して適切に対応することが、スムーズな売却につながります。

価格への影響

高低差がある土地は、同エリアの整形地と比べて価格が下がる傾向があります。目安として以下のような影響が出ることがあります。

  • 擁壁工事が必要な土地:相場より10〜30%程度低く評価されることが多い
  • 既存擁壁が老朽化・法令不適合:さらに大きく評価が下がる場合がある
  • 日当たり・見晴らしが良い高台:マイナスを一部相殺できることもある

告知義務と開示のポイント

高低差のある土地の場合、擁壁の法令適合状況やがけ条例の適用有無は、売主自身が把握していないケースがほとんどです。「親から相続した土地でよくわからない」「昔から建っている擁壁がどんな状態かわからない」という方が多いのが実態です。

こういった情報は、不動産業者が役所調査・現地確認・土地家屋調査士との連携などを通じて調べることで初めて明らかになります。売主が「知らなかった」という場合でも、調査で判明した事実は買主に伝える必要があります。

調査で確認が必要な主な項目は以下の通りです。

  • 擁壁の有無・種類・築年数・法令適合状況
  • がけ条例の適用有無(役所調査が必要)
  • 過去に行った造成・擁壁工事の内容(わかる範囲で)
  • 水害・地盤に関する履歴・ハザードマップの確認

「自分ではよくわからない」という状態のまま売り出すのではなく、まず不動産業者に相談して現状を調査してもらうことが、売主にとっての最善策です。知らなかったことで後から責任を問われるリスクを防ぐためにも、売却前の調査が重要です。

売主が造成・擁壁工事をして売ることはほぼない

高低差のある土地を売る場合、売主が自費で造成工事・擁壁工事をしてから売り出すケースはほぼありません。数百万円規模の工事費用を先払いするリスクを売主が負うことは現実的ではないからです。

実態としては、「高低差がある分だけ売値が安くなる」というシンプルな話です。買主(特に建売業者)が造成・擁壁工事の費用を見込んだ上で価格交渉してくるため、整形地と比べて売却価格が下がります。

売主として知っておくべきことは「工事をどうするか」ではなく、「高低差があることで売値がどれくらい影響するか」を事前に把握しておくことです。これを知った上で価格設定と交渉に臨むことが重要です。

購入前のチェックリスト

  • 土地と道路の高低差は何メートルか?
  • 擁壁は既にあるか?強度・構造・法令適合状況は?
  • がけ条例など建築制限の対象になっていないか?
  • 雨水の流れ込みや排水経路は確認済みか?
  • 建築予定の住宅会社に設計・工事の仮見積りを依頼できるか?

まとめ

  • 高低差のある土地は安く見えても擁壁・造成費用が数十万〜数百万円かかることがある
  • 2m超の高低差はコンクリート擁壁が必要。法令不適合だと建築許可が下りないことも
  • がけ条例により建物の配置・基礎に大きな制限が出るケースがある
  • 擁壁の状況・がけ条例適用など、高低差によるリスクを、買主に事前に伝える必要がある

高低差のある土地は、買う側も売る側も「見えないコストとリスク」を事前に把握することが大切です。プロの目で一緒に確認しましょう。

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