春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2025/03/02
Vol.44 隣地の木の枝・ブロック塀が越境している。売却前に知っておくべき対処法と覚書の使い方
「隣の木の枝がうちの土地にはみ出している。売却のとき問題になる?」
「ブロック塀が境界線を越えているかもしれない。どうすればいい?」
越境の問題は、普段は気にならなくても土地の売買時に突然発覚してトラブルになるケースが多いです。この記事では、越境とは何か・売却への影響・対処法・2023年の民法改正のポイントまで正直にお伝えします。
越境とは?
越境とは、本来の土地の境界線を超えて、他人の土地に建造物や樹木の一部がはみ出している状態を指します。
- 隣地のブロック塀・フェンス・屋根のひさし・雨どいがこちらの土地に侵入している
- 隣地の木の枝・竹がこちらの土地にはみ出している
- 逆に、自分の外壁・擁壁・フェンスが隣地に侵入している
目視で明らかにわかるものもあれば、土地家屋調査士による測量をして初めて発覚するケースもあります。
なぜ売却時に問題になるのか
普段は気にならないレベルの越境でも、売買のときに問題になることが多いです。理由は以下の通りです。
- 買主が計画している建築・リフォームに支障が出る可能性がある
- 住宅ローンの審査で境界の明示を求められる場合がある
- 隣地から将来的に越境の責任を問われるリスクが残る
- 売却後に買主が隣地とトラブルになり、売主に損害賠償請求が来るケースがある
特に買主が建売業者・分譲業者の場合は、越境が残ったままでは購入しないケースがほとんどです。
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【重要】2023年民法改正で「木の枝の越境」ルールが変わりました
2023年4月の民法改正により、隣地の竹木の枝が越境している場合のルールが大きく変わりました。
改正前のルール
隣地の木の枝が越境していても、土地所有者は勝手に切ることができませんでした。隣地所有者に切除を求めるしかなく、拒否された場合は裁判を起こす必要がありました。
改正後のルール(2023年4月〜)
以下のいずれかに該当する場合は、土地所有者が自ら枝を切除できるようになりました。
- 隣地所有者に枝の切除を催告したが、相当期間内に切除されないとき
- 隣地所有者が不明または所在不明のとき
- 急迫の事情があるとき(台風で倒れそうなど)
| 越境の種類 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 隣地の木の枝が越境 | 自分では切れない(隣地所有者に請求のみ) | 条件を満たせば自分で切除可能 |
| 隣地の木の根が越境 | 自分で切除可能 | 変更なし(引き続き自分で切除可能) |
空き家・空き地の管理で「隣の木の枝が伸びてきた」という問題はよくあります。この改正により対応しやすくなりましたが、切除する前に催告(請求)の手順を踏むことが重要です。
越境トラブルの解決方法
①越境を解消する(最もスムーズ)
木の枝・フェンスなど撤去しやすいものは、売却前に解消するのが最もスムーズです。隣地所有者に状況を説明して、協力を求めましょう。
ただし、ブロック塀の基礎や建物の躯体が越境している場合は撤去が困難なことも多く、費用負担や隣地との関係が問題になるケースがあります。
②「越境に関する覚書」を締結する
すぐに越境を解消できない場合、買主の土地利用に支障がなければ「越境に関する覚書」を取り交わすことで解決する方法があります。
覚書に含める主な内容は以下の通りです。
- 越境の事実を認める
- 現状のまま利用を継続することを確認
- 将来、越境物を建て替える際には越境を解消する
- 買主は売主からこの覚書を引き継ぐ
覚書があれば、買主も「越境の事実を知った上で購入した」という記録になり、将来のトラブルを防ぎやすくなります。
③現状有姿で売却する(買主の同意が必要)
買主が越境の事実を承知の上で「現状のまま購入する」と同意した場合は、越境を解消せずに売却することも可能です。ただしこの場合も、契約書・重要事項説明書に越境の状況を明記することが必要です。
隣地所有者が応じてくれない場合
越境の解消を求めても、隣地所有者がすぐに応じてくれないケースはよくあります。
- 「これまで許されていたのに今さら言われても困る」
- 「撤去してもいいが費用を負担してほしい」
- 「過去のトラブルを理由に協力しない」
こういった場合は、不動産会社が間に入って交渉することで解決できるケースがあります。一人で抱え込まず、早めに相談することをおすすめします。
まとめ
- 越境は普段は問題にならなくても、売却時にトラブルになることが多い
- 2023年民法改正で、条件を満たせば隣の木の枝を自分で切除できるようになった
- 越境の解決方法は「解消・覚書・現状有姿」の3つ
- 買主が建売業者・分譲業者の場合は覚書ではなく解消が必須のことが多い
- 隣地所有者が応じない場合は不動産会社に間に入ってもらう
- 売却前に越境状況を確認し、早めに対処することが重要
越境があっても売却できないわけではありません。状況を把握して、適切な対処法を選ぶことが大切です。
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監修者情報

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春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣
