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2026/05/12

Vol.98 「道路」で土地の価値は大きく変わる。不動産屋が必ず確認する道路条件の話

土地の価格というと坪数・駅距離・エリアをイメージする方が多いです。しかし不動産取引の現場では、前面道路の条件によって土地の価値が大きく変わることがあります。そして道路は「見た目だけではわからない」ことが非常に多いのです。

今回は、不動産屋が土地を査定するときに実際どんな道路条件を確認しているのかを、わかりやすく解説します。

「道路がある」=「家が建てられる」ではない

前に道路があれば普通に家が建てられると思われる方が多いですが、「どんな道路か」が非常に重要です。建築基準法では、建物を建てるためには「建築基準法上の道路」に2m以上接していなければならないという接道義務があります。

公道(国道・県道・市道)でも建築基準法上の道路として認められていないケースがあります。春日井市内でも、認定外道路・法定外公共物・昔からの通路など、見た目は普通の道路でも「建築基準法上は道路として扱われない」ケースが実際にあります。

その場合、前に道路があっても建築確認が取れない・再建築できないということが起きます。

建築基準法上の道路の種類

種別内容建築への影響
42条1項1号道路国道・都道府県道・市区町村道などの公道原則として建築可能
42条1項2号道路都市計画法などで築造された道路原則として建築可能
42条1項3号道路建築基準法施行時(1950年)に存在していた道路原則として建築可能
42条2項道路(みなし道路)幅員4m未満だが建築基準法施行時に存在していた道路セットバックが必要。後退部分は建築面積に算入不可
43条但し書き(接道特例)接道義務を満たさないが特定行政庁が認めた場合個別審査が必要。再建築できないケースが多い
建築基準法上の道路ではない認定外道路・私有地など原則として建築不可・再建築不可

「公道だから安心」ではなく、「建築基準法上どう扱われる道路か」を確認することが重要です。

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セットバックが必要な場合の注意点

42条2項道路(みなし道路)に接している土地は、建て替え時に道路の中心線から2m後退(セットバック)する必要があります。後退した部分は自分の土地でも道路として扱われ、建物・塀・フェンスを建てることができません。

たとえば50坪の土地でも、セットバックが必要な部分が3〜4坪あれば実質的に使える土地は46〜47坪になります。土地の広さだけでなく「セットバックが必要かどうか」も確認が必要です。

私道の場合は権利関係を確認する

前面道路が私道の場合、建築基準法上の道路として認められていれば建築は可能ですが、以下の権利関係の確認が必要です。

  • 通行承諾——私道所有者から通行の承諾を得ているか
  • 掘削承諾——上下水道・ガスの工事をするために私道を掘削できるか
  • 持分関係——私道の持分を持っているか(持分がないと将来的にトラブルになることがある)

特に古い住宅地では「昔から当然のように使っていた道路」が、実は複雑な権利関係になっているケースがあります。売却時に発覚すると交渉が難しくなるため、事前確認が重要です。

道路幅によっても土地の使いやすさが変わる

同じ広さの土地でも前面道路の幅員によって使いやすさが大きく変わります。

  • 6m以上:大型車の通行・駐車がしやすい。商業用途にも対応しやすい
  • 4m程度:一般的な住宅地の標準。普通車の通行・駐車は概ね問題ない
  • 4m未満:みなし道路のケースが多い。セットバックが必要で使える土地が減る場合がある

また建築基準法では道路幅によって建物の高さ制限(道路斜線制限)が変わるため、道路幅が狭いと希望する建物が建てられないことがあります。

インフラ(上下水道・ガス)が来ているかも確認が必要

道路があっても、その道路に水道本管・下水道・都市ガスが埋設されていないケースがあります。「前に道路があるなら当然使える」と思われがちですが、引込工事が必要になることがあります。

状況によっては数十万〜数百万円単位の費用が発生することがあります。「土地価格が安い」と思っていたのに、インフラ費用が加わって想定外の出費になるケースもあります。売主は引込状況を事前に把握して告知することが重要です。

不動産屋が土地査定時に確認する道路チェックリスト

  • □ 建築基準法上の道路か(42条何号道路か)
  • □ 接道義務(2m以上)を満たしているか
  • □ セットバックが必要か・必要な場合何m後退するか
  • □ 私道の場合、通行・掘削の承諾があるか・持分があるか
  • □ 道路幅員は何mか
  • □ 水道本管・下水道・都市ガスが前面道路に埋設されているか
  • □ 間口は何mか・土地形状は整形か不整形か
  • □ 高低差・セットバック後の実質使用面積はどのくらいか

まとめ

  • 「前に道路がある」だけでは家が建てられるとは限らない。建築基準法上の道路かどうかが重要
  • 公道でも建築基準法上の道路でないケースがある。春日井市内でも実際にある
  • みなし道路(42条2項)の場合はセットバックが必要で使える土地が減る
  • 私道は通行・掘削承諾・持分関係を確認する
  • インフラが引き込まれていない場合、数十万〜数百万円の費用が発生することがある
  • 道路条件が弱い土地は家余り時代においてさらに売りにくくなる可能性がある

土地を売る・買うときは「何坪あるか」だけでなく「どんな道路に、どう接しているか」を必ず確認してください。見た目ではわからない部分こそが、土地の価値を大きく左右します。

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