春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2025/04/26
相談実績12|契約期間満了後の借地を返してほしい(春日井市・70代女性)
「そろそろ契約も満了するし、貸している土地を返してもらいたいんですが……」
地主のSさんからのご相談です。30年前、Sさんのお父様が、隣地の方に頼まれて、自宅の庭先の約10坪を借地として貸し出しました。その土地の上にはアパートが建ち、今は別の方(Zさん)が借地人としてそのアパートを所有しています。契約が30年の節目を迎えるにあたり、Sさんは「契約を更新せず、土地を返してほしい」と考えていらっしゃいました。
正直にお伝えした「地主の都合では、返してもらえない」
お気持ちはよく分かります。ただ、ここは正直にお伝えしなければなりませんでした。このケースでは、Sさんの都合で土地を返してもらうのは、とても難しいのです。
理由は、この借地契約が古い法律(旧法)に基づくもので、借地人がとても強く保護されているためです。土地の上にはZさんのアパートが現に建っており、契約期間が満了しても、建物がある限り、地主の都合だけで契約を打ち切ることは原則できません。「契約が切れたら更地にして返してもらえる」とはならないのです。
(借地権・底地の仕組みや売却については、こちらで詳しくご説明しています。)
👉 関連ページ:借地権付き物件・底地の売却について
「返してもらう」から「現実的な落としどころ」へ
「返してもらうのは難しい」とお伝えしたうえで、では現実的にどうするのがSさんにとって良いか、を一緒に考えました。借地は、貸している側にとっても、長く付き合っていく関係です。無理に揉めるより、お互いが納得できる形を探すほうが、結果的にSさんのためになるとお伝えしました。
そこで方針を、「土地を返してもらう」から、「貸し続けることを前提に、条件を見直す」に切り替えました。具体的には、借地料の見直し(増額)の交渉です。
最終的に、借地料を少し上げてもらう形で、借地人のZさんにもご承諾いただきました。土地が返ってくるわけではありませんが、Sさんにとっては、長く据え置かれていた借地料が見直され、収益が改善する結果となりました。揉めずに、双方が納得できる落としどころに着地できたのです。
この相談から、お伝えしたいこと
- 旧法借地権は地主都合での更新拒否ができない——「期間満了=返してもらえる」は誤解——建物が存在する限り契約は原則自動更新される
- 「返してもらえない」ことに固執せず「最も有利な整理方法」を探す方が賢明——感情論より現実的な選択肢(売却・料率交渉)の検討が重要
- 借地人への売却は最も合理的な選択肢になることが多い——数字で比較すると持ち続けるより売った方が有利なケースが多い
- 借地問題は弁護士・不動産会社への早めの相談が重要——感情的対立になる前に第三者を介入させることで解決の選択肢が広がる
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▶ 借地権・底地の売却を体系的に知りたい方はこちら:借地権・底地の売却ガイド
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監修者情報

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春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣
