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2026/07/09

Vol.131 昔、親が買った山林に「売れます」と連絡が来た。原野商法の二次被害を疑うべき理由

「昔、親が買った山奥の土地があって。最近『売れますよ』と業者から電話が来たんですが……」

その電話、高い確率で「原野商法の二次被害」です。今、全国の消費生活センターに寄せられる相談が再び増えています。当社にも同じ内容の相談がちょくちょく寄せられるため、手口と見分け方を正直にまとめます。

原野商法とは―1970〜80年代の「土地神話」が生んだ商法

高度経済成長期からバブル期にかけて、「土地は必ず値上がりする」という土地神話が信じられていました。この時期、「将来、別荘地になります」「近くまで開発が及びます」といった触れ込みで、実際には開発計画のない山奥の原野や山林を投資目的で売りつけたのが原野商法です。バブル崩壊後、地価は下落し、誰も使わない・欲しがらない土地だけが残りました。当時購入した親の世代から相続した子や孫の世代が、固定資産税と管理の手間という「負の遺産」を引き継いでいる、というのが現在の実態です。

なぜ今また「売れます」と連絡が来るのか

原野商法の被害から40〜50年が経ち、当時の土地は相続で子や孫の世代に渡っています。この世代は「なぜこの土地を持っているのか」「相場がいくらか」を知らないことが多く、そこに業者がつけ込みます。国民生活センターへの相談件数は2010年度までは年間500件以下でしたが、2013年度以降は年間1,000件前後、2017年度以降は年間1,500件を超える水準で推移しており、令和6年度の平均支払額は約258万円と、再び増加傾向にあります(出典:国民生活センター発表資料)。

【最新】手口は進化している―「売却勧誘‐下取り」型に注意

国土交通省が注意喚起している最近の手口は「売却勧誘‐下取り型」と呼ばれるものです。「あなたの土地を高値で買い取ります」という電話で近づき、契約内容の詳細を説明しないまま、実際には別の原野・山林を新たに購入する契約とセットにさせられている、というものです。

この「下取り型」でよく使われるのが「節税」を口実にした誘導です。「今の土地をこのまま売ると譲渡所得税がかかりますが、もっと価値の高い土地に買い替えれば、買い替え特例で節税になりますよ」と持ちかけてきます。買い替え特例そのものは実在する税制ですが、これを悪用し、業者が用意した(実際は市場価値の乏しい)別の原野・山林を高値で買わせるのが狙いです。国民生活センターの事例では、1,200万円で土地を売らせた上で1,600万円の別の原野を「買い替え」として買わせ、差額の400万円を負担させたケースが報告されています。つまり税金の話は口実で、本当の狙いは二つ目の売買契約から差額を得ることです。

このほかにも、以下のような請求が典型的です。

  • 「売却には測量が必要です」として測量費を先に請求される
  • 「広告費として先にお願いします」と広告費を請求される
  • 「隣地の売却と一緒に進めれば有利です」と、隣地の話に便乗して連絡してくる

「税金対策」の場合は先払いではなく二重の売買契約から差額を取る点が異なりますが、いずれも「業者の言うとおりに動くと、こちらがお金を負担する構造になっている」点は共通しています。

見分け方―この5つに当てはまったら疑ってください

国土交通省・国民生活センターが挙げる消費者へのアドバイスをもとに整理すると、次の5つが目安になります。

  • 「土地を買い取る」「お金は後で返す」と言われても、その場できっぱり断る
  • 宅地建物取引業の免許を持っていると名乗っても、それだけで安易に信用しない
  • 根拠がはっきりしない請求には、お金を支払わず毅然と対応する
  • おかしいと感じたら、契約前に消費生活センター等に相談する
  • 高齢のご家族が同じような電話を受けていないか、周囲も気を配る

一番シンプルな判断基準は「売却が成立する前に、こちらがお金を払う話になっていないか」です。正常な不動産取引では、売却が決まる前に売主が費用を負担することはほぼありません。

業者が本当に宅地建物取引業者か、無料で確認する方法

連絡してきた業者名がわかれば、国土交通省の「宅建業者企業情報検索システム」で、免許の有無・免許行政庁を無料で確認できます。免許が確認できない業者や、免許はあっても行政庁に疑義を相談できる状態にしておくことが、ご自身を守る一歩になります。

では、この土地は本当に売れないのか?

ここは正直にお伝えします。原野商法で購入された土地の多くは、立地・接道・現況(山林・原野)の条件から見て、市場での売却が現実的に難しいケースが多いのは事実です。ただし「絶対に売れない」と断定することもできません。隣接地の所有者に買っていただける場合や、林業・資産活用目的で需要が生まれる場合もゼロではありません。売れるかどうかは土地ごとに事情が異なるため、断定的な話を持ちかけてくる相手こそ警戒し、地元の不動産会社など第三者に確認することをおすすめします。

困ったら、まず相談を

「この電話は本物か」「この土地は本当に売れるのか」と迷ったら、契約する前に立ち止まってください。消費者ホットライン(188)への相談に加えて、地元でまともに商売をしている不動産会社であれば、その取引がフェアかどうか、第三者の目で確認できます。当社にも同様の相談は珍しくありません。売れる・売れないも含めて、正直にお伝えします。

👉 相談実績10|「隣の土地を一緒に売りませんか」と知らない業者から電話が来ました。バブル期に親が買った岐阜の山林、本当に売れるのでしょうか?

👉 相談実績15|40年前に買った山林を手放したい。でも売れない・返せない・どうにもならない現実

💬 「知らない業者から土地の電話が来た。これは本物かどうか確認したい」という方へ。
怪しいと感じたらすぐに動かず、まず地元の不動産会社にご相談ください。売れる・売れないも含めて正直にお伝えします。
👉 LINEで気軽にご相談ください

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