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2026/06/01

Vol.114「AIに不動産屋の仕事は奪われるのか。」20年やってきた自分なりの答え

「AIに仕事が奪われる」という話をよく聞きます。不動産業界でも、AI査定・AIチャット・自動広告作成・契約書チェック・物件提案など、どんどんAI化が進んでいます。不動産屋としては正直、複雑な気持ちになります。「不動産は人間相手の仕事だから」「最後は人間力でしょ」——そう思いたい気持ちもあります。ただ実際にAIを使っていると「これ、人間より上手いな」と思う場面がかなりあるのも事実です。

AIが得意なことは、思っている以上に多い

相場分析・査定補助・法律整理・契約書確認・ハザード確認・ブログ記事作成・マーケティング分析——AIはすでにこれらをかなりのレベルでこなせます。しかも人間より速い。さらに言えばAIは「気分」で判断しません。疲れていても・機嫌が悪くても・その日の体調が悪くても、常に一定の質でアウトプットを出し続けます。

人間は思っている以上に感情で動いている

行動経済学の研究では、人間は自分では論理的だと思っていても実際にはかなり感情や思い込みで判断しているということが繰り返し示されています。不動産の現場でもそれは顕著です。「この家はもっと価値がある」「今はまだ売りたくない」「なんとなく不安」「この営業マンは信用できそう」——数字だけでは動かない部分が、不動産取引にはたくさんあります。

「半分はYES」——AIは確実に不動産業界を変える

AIが不動産屋の代わりになるかという問いに対して、私は「半分はYES」だと思っています。情報整理・分析・書類作成・マーケティングの領域では、AIは今後ますます強くなるでしょう。「情報を集めて整理して提供する」という仕事の多くは、AIに置き換えられていくと思っています。

本当に難しいのは「感情の整理」と「決断の伴走」

ただ現場ではもっと複雑なことが起きています。相続した実家の売却を例にとると、売った方が合理的だとしても、親との思い出・兄弟関係・近所の目・罪悪感・「本当に売っていいのか」という迷いが絡みます。このとき必要なのは単なる査定ではなく「気持ちの整理」だったりします。「正しい答え」より「納得できる答え」の方が重要な場面が、不動産の現場には多い。これはAIが苦手というより、人間同士だから成立する部分だと思います。

「人間だから価値がある」ではなく「人間として価値を出せるか」

これからは「人間だから価値がある」という時代ではなくなると思っています。AIが情報・分析・効率化を担う中で、人間に残るのは「問題を整理できる」「リスクを正直に説明できる」「感情と向き合える」「地域を深く知っている」「最後まで責任を持てる」という部分ではないでしょうか。単なる「情報屋」は厳しくなる。それは正直そう思っています。

「まちの不動産屋」の役割が、改めて問われている

AIの台頭を悲観ばかりしているわけではありません。むしろ「情報を渡すだけ」の仕事から「人の悩みを整理する仕事」へ、不動産屋の役割が変わっていく。そしてそれは、ある意味で本来の「まちの不動産屋」に近づいている気もしています。20年この仕事をしてきて、改めてそう感じています。

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