春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2025/04/22
Vol.80 不動産売却の税金はいくら?譲渡所得・取得費・確定申告と手取りを解説【春日井市】
「土地が2,000万円で売れたら、税金はいくらかかるのか」「相続した実家は購入価格が分からないけれど、どう計算するのか」
不動産売却の相談では、売却価格と同じくらい、税金や最終的な手取りについて多くのご質問をいただきます。
最初にお伝えしたいのは、売却価格そのものに税率を掛けるわけではないということです。税金は、購入代金や売却費用などを差し引いて残った「譲渡所得」に対して計算します。
この記事では、春日井市で土地・戸建て・相続不動産の売却を考えている方に向けて、譲渡所得の計算、取得費、税率、利用できる可能性がある特例、確定申告までを整理します。
まず結論
- 不動産を売っても、利益が出なければ譲渡所得に対する税金は原則かかりません。
- 税金は「売却価格」ではなく、取得費・譲渡費用・特別控除を差し引いた譲渡所得に対して計算します。
- 取得費が分からない場合は売却代金の5%を概算取得費にできますが、税額が大きくなることがあります。
- 3,000万円特別控除などを使って税額がゼロになる場合でも、原則として確定申告が必要です。
- 正確な手取りを考えるには、税金だけでなく仲介手数料・測量・解体・登記・ローン残債も確認します。
不動産売却の税金は「譲渡所得」で決まる
土地や建物を売却したときの利益を、税務上は「譲渡所得」といいます。基本的な計算式は次のとおりです。
課税譲渡所得 = 売却代金 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除
- 売却代金:土地・建物を売った金額。買主から受け取る固定資産税等の精算金も収入金額に含めて計算するのが基本です。
- 取得費:購入代金、購入時の仲介手数料・登記費用など。建物は所有期間中の減価償却費相当額を差し引きます。
- 譲渡費用:売却時の仲介手数料、契約書の印紙代、売却のために直接行った測量・解体などです。
- 特別控除:一定の要件を満たす自宅売却の3,000万円特別控除などです。
住宅ローンの残債は、売却後の手取りには影響しますが、譲渡所得を計算するときにそのまま差し引けるものではありません。「手元にいくら残るか」と「税務上の利益がいくらか」は分けて考える必要があります。
長期譲渡と短期譲渡で税率が変わる
土地・建物の譲渡所得は、売却した年の1月1日時点の所有期間によって長期と短期に分かれます。
| 区分 | 所有期間の判定 | 税率 |
|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 売却した年の1月1日時点で5年超 | 所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%=20.315% |
| 短期譲渡所得 | 売却した年の1月1日時点で5年以下 | 所得税・復興特別所得税30.63%+住民税9%=39.63% |
たとえば2026年中に売却した場合、2020年12月31日以前に取得した不動産は長期、2021年1月1日以後に取得した不動産は短期になるのが基本です。「購入から丸5年が経過した日」で判定するわけではありません。
2,000万円で売却した場合の計算例
税金の仕組みを理解するため、土地を2,000万円で売却した例を考えます。
- 売却代金:2,000万円
- 取得費:100万円(取得費不明のため、例として5%を使用)
- 譲渡費用:145万円
- 所有期間:長期譲渡所得
- 特別控除:なし
この場合の課税譲渡所得は、2,000万円-100万円-145万円=1,755万円です。一般の長期譲渡所得の税率20.315%で単純計算すると、所得税・復興特別所得税・住民税の合計は約356万円となります。
ただし、実際の計算では取得費の内容、建物の減価償却、特例の適用、固定資産税等の精算金などを確認します。この金額を個別物件の税額として使用しないでください。
取得費が分からないと、税金が大きくなることがある
相続した実家や昔購入した土地では、購入時の売買契約書が見つからないことがあります。取得費が分からない場合などは、売却代金の5%を概算取得費として計算できます。
しかし、売却代金2,000万円なら概算取得費は100万円です。実際には1,000万円以上で購入した土地でも、取得費を100万円として計算すれば、譲渡所得が大きくなります。
取得費が分からないから、必ず5%でしか計算できないという意味ではありません。まずは次の資料が残っていないか確認しましょう。
- 購入時の売買契約書・領収書
- 建物の建築請負契約書
- 購入時の仲介手数料・登記費用の領収書
- 住宅ローン契約書、通帳の出金記録
- 分譲会社・仲介会社から受け取った資料
売買契約書以外の資料から取得費を確認できるかは個別判断です。昔の資料を処分する前に、税務署または税理士へ相談してください。
売却時に払った費用が、すべて譲渡費用になるわけではない
譲渡費用とは、基本的に不動産を売るために直接かかった費用です。
| 譲渡費用になり得るもの | 原則含まれない・個別確認が必要なもの |
|---|---|
| 売却時の仲介手数料 | 固定資産税・都市計画税 |
| 売買契約書の印紙代 | 住宅ローンの返済額・利息 |
| 売却のために行った測量費 | 引越し費用 |
| 土地を売るための建物解体費 | 通常の修繕・維持管理費 |
| 売却のために支払った立退料 | 家財・残置物処分費、ハウスクリーニング費 |
測量・解体・残置物処分などは、支出した目的や売却との直接的な関係によって扱いが変わることがあります。領収書だけでなく、見積書・請求書・工事内容が分かる資料も保管しておきましょう。
相続した不動産の取得費と所有期間
相続した土地・建物は、原則として亡くなった方の取得費と取得時期を引き継ぎます。相続したときの固定資産税評価額や相続税評価額を、そのまま取得費にするわけではありません。
親が30年前に購入した土地を相続後1年で売却した場合でも、所有期間は親の取得時から引き継いで判定するのが基本です。
相続税を払った場合の「取得費加算の特例」
相続税を納めた方が、相続した財産を一定期間内に売却した場合、相続税額のうち一定額を取得費に加算できる特例があります。
期限は、単純な「相続から3年以内」ではありません。原則として、相続開始日の翌日から、相続税申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。一般には相続開始から約3年10か月以内が目安になります。
この特例を利用するには確定申告が必要です。相続税を支払っていない場合は対象にならないなどの要件があるため、売却前に税理士・税務署へ確認してください。
自宅や相続空き家には3,000万円特別控除がある
一定の要件を満たす場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度があります。
| 売却する不動産 | 確認する主な制度 |
|---|---|
| 自分が住んでいた自宅 | 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除 |
| 親から相続した一定の空き家 | 被相続人の居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除 |
同じ「3,000万円控除」でも、要件は別です。相続した実家だから自動的に使えるわけではありません。また、特別控除を使った結果、課税譲渡所得や納税額がゼロになる場合でも、適用を受けるには原則として確定申告が必要です。
利益が出たら、売却した翌年に確定申告する
不動産売却で譲渡所得が生じた場合は、原則として売却した翌年の確定申告期間に申告します。会社員の方でも、不動産の譲渡所得は勤務先の年末調整では精算されません。
損失が出た場合は、不動産売却だけを理由とする申告が不要なケースもあります。ただし、一定の自宅売却では、譲渡損失を給与所得などと損益通算したり、翌年以後へ繰り越したりできる特例があります。「損をしたから申告は関係ない」と決めつけない方が安全です。
売却した年から保管しておきたい書類
- 売却時と購入時の売買契約書
- 決済時の精算書
- 仲介手数料の請求書・領収書
- 測量・解体・立退料などの契約書・領収書
- 購入時の仲介手数料・登記費用・建築費が分かる資料
- 相続税申告書の控えなど、利用する特例に必要な資料
必要書類は適用する特例や個別事情で異なります。申告期限が近づいてから探すのではなく、売却した年のうちにまとめておきましょう。
手取り額は「税金以外の費用」も含めて考える
売却後の手取りは、大まかには次の順番で考えます。
売却価格 − 売却に必要な費用 − 税金 − ローン残債 = 手元に残る金額
古い実家や土地では、境界確定測量、建物解体、残置物処分、住所変更登記などが必要になることがあります。一律に「売却価格の何%」と見るのではなく、物件ごとに見積もることが大切です。
春日井シティ不動産では、査定価格だけでなく、測量・解体・残置物処分など必要になりそうな費用を確認し、売却後の手取りを考えるための材料を整理します。税額の最終判断や申告書の作成は、税務署または税理士へご確認ください。
まとめ|売却価格より先に「取得費」と「使える特例」を確認する
- 税金は売却価格ではなく、取得費・譲渡費用等を差し引いた譲渡所得にかかる
- 所有期間は売却した年の1月1日時点で判定する
- 取得費不明時の5%計算は、税負担が大きくなることがある
- 相続した不動産は、原則として亡くなった方の取得費と取得時期を引き継ぐ
- 取得費加算や3,000万円特別控除は、要件と申告手続きの確認が必要
- 査定価格だけでなく、費用・税金・ローンを差し引いた手取りで判断する
参考:国税庁の案内
査定価格だけでなく、売却後の手取りまで整理します
春日井市の土地・戸建て・相続不動産について、仲介手数料・測量・解体など必要になりそうな費用を確認し、手元に残る金額を考えるための材料をご説明します。まだ売ると決めていない段階でもご相談いただけます。
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監修者情報

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春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣
