春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2025/04/26
【20年前の自殺疑惑】過去に自殺があった土地や建物は売れるのか?
「昔、あの家で自殺があったらしい──」
不動産売買の現場では、契約後に“過去”が浮上することがあります。今回ご紹介するのは、春日井市内の土地取引において、契約後に20年前の自殺疑惑が持ち上がった実話です。
噂が本当かどうかも定かでない中で、売主・買主・仲介業者がそれぞれどのような選択をしたのか。そして事故物件とされた不動産は本当に売れるのか?というテーマについて詳しく解説します。
売買契約後に浮上した「自殺疑惑」
十数年前、春日井市某所にある120坪の土地売却の依頼を受けました。物件には空き家が建っており、売主はすでに市外に転居。解体更地渡しの条件で募集したところ、ある建売業者から4600万円で購入申込みが入り、契約は無事成立しました。
ところが契約から数週間後、近隣の方から「昔あの家で子どもが自殺したらしい」という話が寄せられました。
当初、売主からは一切そのような話はなく、契約時には「事件・事故等なし」と記載された物件状況告知書も受領済み。
この段階で、「これは事実か?ただの噂話か?」という点が大きな争点となりました。
売主には「告知義務」がある
不動産売買において、売主は買主が知っていれば購入を控えるような重要な事実を事前に告知する義務があります。
- 自殺や事件・事故
- 火災・水害等の履歴
- 近隣トラブル
- 建物の重大な欠陥
これらの事実を「知っていたにもかかわらず黙っていた」場合、売主は契約解除や損害賠償のリスクを負うことになります。
また、仲介業者にも調査義務・説明義務があります。たとえ売主が知らないと主張しても、調査が不十分であれば、仲介業者も法的責任を問われる可能性があります。
売主の主張:「自殺ではない」
この件について、売主はこう主張しました。
「確かに20年前に子どもが亡くなったが、事故であって自殺ではない」
しかし、当時救急車と警察が出動していたことは近隣からの証言で明らかに。買主側としては、「たとえ自殺でなかったとしても、その疑惑があるだけで建売販売に悪影響が出る」と強く反発。契約の履行を拒みました。
売主が選んだのは「手付解除」──なぜ?
結果として、売主は手付解除を選択し、買主に手付金相当額を支払い契約を解除しました。
なぜこの判断に至ったかというと、
- 違約解除とされた場合、売主は売買代金の20%(920万円)を違約金として支払うリスクがある
- 過去に子が亡くなったという悲しい現実はあってそのことで揉めることはつらい
- 所有権移転後にトラブルが起きれば、もっと複雑な争いに発展しかねない
- 調査しても噂が真実か否かを証明できなかった
という事情があり、「悲しい出来事を掘り返されるのもつらい。金銭的な損をしても可能であればトラブルを回避したい」と判断したからです。
売主には「決済を求める」という選択肢もあった
実はこの時、売主には「手付解除」ではなく契約通りの決済を求める選択肢も残されていました。
なぜなら、自殺の事実は確認されておらず、あくまで噂話にとどまっていたからです。
もし売主が「そんな事実はない。契約通り進めてほしい」と主張していれば、買主側が一方的に契約を解除するには、「重大な告知義務違反」があったと証明する責任がありました。
つまり売主が「決済を求める」姿勢を貫けば、理論上は裁判に持ち込んで勝てる可能性もゼロではなかったのです。
しかし実際には、買主が販売事業に大きなリスクを感じている状況で、泥沼化する訴訟リスクや、最終的な売却の遅れによる機会損失などを総合的に勘案し、売主は「手付解除」という損切りの判断を下しました。
そしてこの物件はどうなったか?
その後、この土地は「20年前の自殺疑惑があったこと」「前の契約が白紙解約になったこと」などすべてを包み隠さず説明した上で、別の建売業者が購入しました。
売買価格は、市場価格の約25%引き(3450万円)。
つまり“事故物件”として評価されつつも、ちゃんと買い手は現れたのです。
【結論】事故物件でも売れる。ただし…
たとえ過去に事件や事故、自殺などの履歴があったとしても、不動産としての価値があり、価格条件が適正であれば買い手は見つかります。
ただし、重要なのは以下の点です:
- 売主は「知っている事実」を必ず告知する
- 買主も気になる点は業者・近隣にしっかり確認する
- 仲介業者も調査・説明を徹底する
不都合な過去を隠して取引すれば、必ずどこかで発覚します。隠す必要はありません。堂々と伝えた上で、「納得して購入してくれる相手」とマッチングすることが、最善の売却方法です。
まとめ|事故物件の売却で大切なこと
- 「昔の出来事でも」買主の判断に影響を与えるなら告知義務あり
- 真偽が不明な噂でも、無視はできない
- 言いたくないことでも伝えておくのが、自分を守ることになる
- 事故物件でも価格を調整すれば売れる
- 正直な対応が、トラブル回避と円滑な売却への最短ルート
事故物件は“売れない”のではなく、“売り方”が大切。
誠実な情報開示と、適切な価格設定があれば、どんな物件にも未来はあります。
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監修者情報
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春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣